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コラム422 夏休みをどう過ごすか(40日の使い方)

更新日 2009年7月17日
執筆: 木村 恒二(組織・人事変革コンサルティング)

 

 毎年のことなのだが、海の日が近付くと子供だった頃の夏休みに思いを馳せてしまう。ああ、40日間日曜日が続いたあの頃。今40日間の休みがあれば、随分いろいろなことが出来そうな気がする。身体を徹底的に鍛え直したり、積みっ放しの本を読んでいったり、ちょっとした分野を勉強して丁寧に考えてみたり、海外旅行をしても結構たくさんの国を周れるかもしれない。

 思えば当時から、そんな風に時間の使い方を考えていくのが楽しかった。夏休みには学校の宿題のようなことは出来るだけ手間を掛けずに早めに済ませてしまう。その上で、あるテーマに沿って本を読むとか、模型やジオラマを作り上げていくとか、何かしら計画的な過ごし方をしようとする癖があった。自由なまとまった時間を前にすると、それを使って何かをやり遂げてみたい、ついそんな期待を楽しんでしまう(もちろん決めたことを必ずしも達成していた訳ではないのだが・・)。

 当時の級友を思い出してみると、夏休みの過ごし方は人によって様々であった。40日間をフルに使って、夏休みの宿題をこつこつとやり遂げるタイプ。休み中はとにかく好きなだけ遊んで、宿題は9月に入ってから瞬発力を活かしてやり遂げてしまうタイプ。少数派だが、宿題は一切やらないタイプ。宿題に対する姿勢をみただけでも、時間の使い方には様々な性格が表れる。(余談だが、宿題をやらない理由にもいろいろなバリエーションがあって、「宿題が出ていたことを知らなかった」と言い張ったI君や、「フィリピンで強盗に遭って、宿題も他の荷物と一緒に盗られてしまった」といったM君は、今でも強く印象に残っている)。

 多くの場合、こうした時間の使い方に表れる性格は、子供の頃からあまり変化しないように思われる。緻密な子は緻密な人に、図太い子は図太い人に、段取りがいい子は段取りがいい人になっていく。

 こうして考えると、夏休みの時間の使い方、そこに見えてくる志向性にはその子の将来のビジネスマンとしての勝ちパターンが表れているような気がしてならない。なすべきことを早めに済ませて安心したいのか、締切直前に瞬発力を活かして済ませるのか、他のこととの優先順位の兼合いをどのように判断するのか、こうした点にも課題に対処する時の癖が見えてくる。
もしそうだとすれば、子供の頃から夏休みの時間の使い方を自分で考えてみるのは、結構重要なことではないだろうか?ある程度の自由度を持ってまとまった時間を与えられて、その中で優先順位を付けながら、やるべきこととやりたいことをこなしていく。時には自分の決めたスケジュールがきつ過ぎることにストレスを感じたり、あるいは無計画に過ごすなりに最後にどうやって帳尻を合わせるのかで苦労したりする。こうした経験は、時間の使い方に関する自分の癖を自覚したり、自分の性格に適した課題への対処方法を洗練させていったりする機会となるに違いない。

 最近の子供は、習い事だ、塾だ、部活だとかで他人から課されたスケジュールに追われていることが多いようだ。確かに、限られた時間で目標を達成するという観点では好ましいことなのかもしれない。しかし、そうした状況は一方では子供たちが主体的に考え、そのことに責任を持つという貴重な機会を奪っているといえなくもない。そう考えてみると幼少期に経験する夏休みという40日間は、自分で自分のことを決めるということの大変さやすばらしさを体験しながら主体性を養っていく最初のチャンスなのではないだろうか。

執筆者: 木村 恒二 【執筆者プロフィールを見る】



 


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