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第3回 日本ヒューレット・パッカード株式会社 取締役 執行役員 人事統括本部長 大月 重人さん (1/4)
C-Suite Talk Live第3回は、日本ヒューレット・パッカード株式会社の取締役 執行役員 人事統括本部長、大月重人さんにご登場頂きます。

1939年に米シリコンバレーで生まれたHP。同社が掲げてきた「HP Way」は、数あるグローバル企業の理念・行動指針の中でもシンボル的存在の一つとして、今なお多くの人々に刺激を与え続けています。日本でも1963年の創業以来(当時は横河ヒューレット・パッカード)、既に半世紀近い歴史を持つ同社。20世紀終盤から21世紀にかけての人類社会激動の象徴ともいえるIT業界にあって、HPはどのような点に軸足を置いて人材マネジメントを行っているのでしょうか。

大月さんは、これまで一貫して人事分野でキャリアを構築してこられました。ご本人曰く、「人事道」。日立製作所で15年、GEで9年、そして2008年6月からHPと、日本と世界を代表する大企業で積み重ねられた濃密なご経験。最近では、そのご経験を生かして社外での講演などもしておられます。「人事道」の心とは何か。興味津々です。

C-Suite Talk Live 第3回 ~対談エッセンス~
  • 人事プロフェッショナルとしての学びの連続
  • 自然淘汰を生き延びた遺伝子としての「HP Way」
  • キャリア開発の確固たる軸足 = 「自らの意思」
  • ブレのない「グローバル・カンパニー」モデル
  • 人事の役割~変わるべきこと・変わらないこと
  • 「人事元気で会社も元気」

人事プロフェッショナルとしての学びの連続
古森 大月さんのようにスマートな方から「人事道」という和風の表現を聞きますと、大変新鮮な思いが致します。今日は是非、これまでのご経験を踏まえた大月流「人事道」についてお話を聞かせて下さい。この対談を読んで下さる方々に、何かしらヒントになるものを残せるのではないかと期待しております。

大月 古森さんは松涛館流の空手道をやっておられますよね。実は私も松涛館流の道場に通っていたことがあるのです。最近も少し、子供と一緒にやっています。そんな背景もありまして、「人事道」というような表現が好きなのでしょうね。これまで25年、一貫して人事の世界を歩いてきました。

古森 四半世紀、人事の道一筋・・・ですね。極めて日本的なイメージのある日立と、グローバル企業の代名詞のようなGE、HP。あたかも両極にあるかのようなこれらのご経験をふまえて、何か見えてきたものがありますか。少し、ご経歴を紐解く形でお話を伺えればと思います。

大月 学びの連続、ですね。まず日立というのは、当時から日系企業の中では人事面でも先進的な考え方や取り組みをしていた企業の一つで、例えば職務給なども1960年代前半に他社に先駆けて導入しました。春闘相場のリーダーでしたし、人事勤労の王道といわれた企業です。日本における人事・労務分野の基礎をしっかり吸収することが出来ました。

古森 という風にお話しになるとキレイな話に聞こえますが、色々とご苦労もあったのではないですか。私もかつて少しだけ経験しましたが、日本の人事には人に言えない苦労が多いですよね。人々に見えている活動の裏に、それを担保するための見えない苦労が山ほどあったりします。

大月 日立での学びの現場は、生々しい人間の世界でしたね。修羅場を何度も経験した、いわば人間修行のようなものでした。文字通り泣きながら、人に手をつける前例なき施策を断行せねばならない時もありました。人が亡くなった瞬間に立ち会わねばならない時もありました。人の裏側を見てしまう場面も、たくさんありました。

古森 そうした濃密な15年間を経て、GEへ行かれたわけですね。

大月 GEについては既に多くの情報が世に出ていますが、私なりにGEの人事のこだわりを表現するならば、「タレントマネジメント命」ということになると思います。リーダーシップ開発などもその範疇に入ります。タレントマネジメントという言葉自体は、どんな企業でも使って良いですし、現に使われていますね。しかし、世界規模で大真面目にこの点にプライオリティを置いて実行し続けている企業というのは、それほど多くないのではないでしょうか。

古森 「人」に対するアテンションが、非常に強い会社という印象ですね。洋の東西を問わず、本当に良い企業というのは、個々の「人」に対するアテンションが生きていると常々感じています。

大月 まさにその通り。私自身、GEにいた9年間、「Constantly watched」(常に見られている)という良い意味での緊張感が途絶えることはありませんでした。CEOが自ら多くの時間をタレントマネジメントに注ぎますし、タレント個々人の名前も驚くほどよく覚えています。

古森 日本企業のかつての終身雇用のような環境ならまだしも、組織の一定量が常に流動する状況で、かつ国境を越えてタレント個々人へのアテンションが持てているというのは、すごいことですね。

大月 つまるところGEの9年間では、人材マネジメントの方法論やスキルは当然として、その背景にある「考え方」を学べたことが大きかったですね。人事プロフェッショナルとして、文字通り一生涯生かせる学びを得たという実感があります。

古森 そして、昨年の6月にHPへ。

大月 日本HPは、4,000~5,000億円規模の売り上げがありまして、社員数も様々な雇用形態を総合して10,000名を越える組織です(正社員は約5800人)。日本に来ている外資の中では、最大規模の一角に入るところまで来ました。

古森 HPでの学び・・・と言うとまだ語弊があるかもしれませんが、ここでは何が人事プロフェッショナルとしてのポイントになりそうですか。

大月 明らかに、3つありますね。一つは、「HP Wayに基づく人事マネジメント」、二つ目は、「自らが築くキャリア」、そして三つ目は「グローバリゼーション」です。

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