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第8回 佐賀県知事 古川 康さん (1/4)
C-Suite Talk Live第8回は、佐賀県知事の古川 康さんのお話を伺います。

古川さんは、東京大学法学部政治学コースをご卒業後、自治省(現・総務省)に入省され、財政局指導課に配属されました。その後、自治省からの派遣で沖縄県、長野県、岡山県、長崎県の県政に携わるほか、自治大臣秘書官、自治大臣官房企画室環境対策企画官、自治大臣官房地域振興券推進室副室長などを経て、2003年4月に当時最年少の44歳で佐賀県知事選挙に当選。2007年に再選を果たし、現在二期目でいらっしゃいます。

C-SuiteClubでは、草創期からのメンバーのお一人。政治ではなく、バリバリの経営の話題で持論を展開される、まさに「論客」です。何も知らずに古川さんにお会いしたら、どこかの大手企業の経営者の方だと思うに違いありません。

多忙を極める公務の関係でなかなかお会いするチャンスがないのですが、総選挙直前の8月終盤、久々に意見交換の機会を頂きました。かくいう私も福岡生まれの大分育ち。なんとなく土地勘のある九州という同心円の中で、話が弾みます。

C-Suite Talk Live 第8回 ~対談エッセンス~
  • 政治と国民~自ら作る、変える意識の重要性
  • 「佐賀県」のビジネス・ストラテジー
  • 「佐賀県庁」という組織における”kaizen”活動
  • 人材育成への思い~「選ばれる佐賀」へ

政治と国民~自ら作る、変える意識の重要性
古森 今週末が総選挙ですね。今までの選挙と違うなぁと感じるのは、マニフェストを読んでいる人が実に多いということです。知事会からも「地方の立場から見るとどう見えるか」という分析を公表して、人々の関心を集めましたね。

古川 そうですね。「政治を変えることができる」「作ることができる」という感覚を、多くの人々が持ち始めているのだと思います。

古森 政策の解釈は人によって様々でしょうが、今般の総選挙は国や政策のことを「考えよう」とする人が増えるきっかけになっているように思います。それ自体、大きな意義がありますね。

古川 国家戦略局なども話題になっていますが、どのような名称の組織であれ、国全体の総合的視点での議論が起きていく流れにありますね。どういうバックグラウンドの人たちが入っていくのかなど、多くの人が注目しています。

古森 人間の集合体をリードするという点では、国政も企業経営も共通点を感じます。ただ、経営する上での難しさに関しては、国と企業では性質がまったく異なりますね。企業では、人を選んで採用し、人の入れ替えもある程度可能です。一方、国はまさに全人口が構成員で、その多様なプロファイルも経営の「与件」です。それを何らかの方向に導こうと思ったら、これは大変なエネルギーが必要でしょうね。

古川 なるほど、そういう捉え方もありますか。

古森 最近思うのですが、国民も単なる批判者・傍観者ではなく、「自分だったらこの国をどうするか」という視点で考えるべきだなと。少なくともそういう意識や志向性がない人ばかりになってしまうと、この超巨大所帯に有意な方向付けをするのは本当に難しいと思います。私見ですが、一国の政治とメディアのレベル感は、その国民の平均値の鏡だと思います。

古川 振り返ってみると、政策が広く国民レベルで吟味されるという現象は、日本の選挙ではつい最近まで見られなかったことです。2003年の統一地方選挙あたりからでしょう。当時、マニフェストを明確に掲げた人が全員当選しました。新しい試みをした人が、選挙の場で有権者に受け入れられるようになった。マニフェスト自体は、今ではもうあたり前の話になってきましたが。

古森 ただし、こと厳しい施策に関しては、マニフェストでも打ち出しにくいですよね。いかに日本国の厳しい現実が見えていても、です。ここは、企業経営とはかなり違うところですね。

古川 「負担」の話がしにくいので、どうしても「給付」の話になりがちです。しかし、代表者を選んで決定事項を任せるという仕組みの起源は、税ですよ。勝手に税が決められるのではなく、代表を決めて議論した結果の税を払うというのが、今の政治の仕組みの起源です。そう考えると、本来は配分論ばかりでは趣旨が違うのです。負担のほうの話を、国民が政策を通じて考えることが非常に重要です。

古森 やはり、「自分だったらこの国の経営をどうするか」という意識がないと、単なる個々人のエゴの合算になってしまいますね。そうなってしまったら、「負担」の議論なんて進まないでしょう。


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