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第17回 コマツ (株式会社小松製作所) 常務執行役員
コンプライアンス、法務、人事・教育、安全・健康管理管掌 日置政克さん (1/4)
C-Suite Talk Live 17回目は、コマツ(株式会社小松製作所)でコンプライアンス、法務、人事・教育、安全・健康管理分野を管掌されている、日置政克さんです。

コマツは、建機メーカーとして世界のトップクラスに位置し、成長著しいアジア地域では名実ともにトップの座にあります。リーマンショック以後の世界経済混乱の中でも、いち早く中国での需要をつかみ、早期回復を果たしたことは記憶に新しいところです。売り上げの約8割は海外市場。世界全体の従業員に占める日本人の割合も、既に半分を切ろうとしています。日本発のグローバル・カンパニーとして、多方面から注目されています。

日置さんは、日本の人事界では大変著名な方です。講演やメディアへのご登場も数多く、コマツウェイに象徴されるコマツとしての考え方、そしてご自身の見解を常に明快に発信してこられました。イギリス、アメリカなど海外での修羅場経験もふまえた独自の見解には、ずっしりとした重みを感じます。昨年は、シンガポール政府に招待され、彼の地でも演壇にのぼられました。海外に向けて日本の人事を語ることができる、貴重な存在です。

小職自身、コマツという企業に息づく様々な「良いもの」を世に伝えたいという思いが、以前からありました。コマツさんからすれば、部外者のいらぬおせっかいに違いないのですが・・・。また、日置さんという方の人間性にも、これまで様々な場面で深く感じ入るものがありました。良い縁に恵まれ、今般、対談にご登場頂くことになりました。

C-Suite Talk Live 第17回 ~対談エッセンス~
  • グローバリゼーション、世界の中の日本の意義
  • コマツウェイの浸透はトップ自らの実践にあり
  • 骨太で「腕」のある人材を、時間をかけて育てる
  • 技術に対する国境を越えたリスペクトの醸成
  • 本当に人を惹きつけているものは、「居甲斐」

グローバリゼーション、世界の中の日本の意義
古森 こんにちは。この対談、「何か良いもの、ヒントになるもの」を世の中に発信したいという思いで続けております。コマツさんには、色々な面で本当に素晴らしいものがあると日頃から感じていますが、突き詰めれば「コマツウェイの実践」に集約されるということも理解しております。その中で、今日はいくつか焦点を絞ってお話を伺ってみようと思います。宜しくお願い致します。

日置 こちらこそ宜しく。

古森 さて、色々と具体論に入る前にまず、「グローバル展開における日本の位置づけ」というものに関して、少しお聞かせ願えますか。といいますのは、コマツさんにはその点に関して非常に明快な姿勢があり、「姿勢を決めきれている」ということ自体が、大きな力になっているように思うからです。

日置 なるほど。そういう視点では、「ものづくり」の核となる部分をどうするかという話に帰結すると思います。コマツでは、例えばエンジンや油圧装置など、主要コンポーネントの開発と生産は日本に集約しています。逆に言うと、それ以外の様々な機能は、ビジネスのグローバル展開にあわせて、柔軟に現地の人材を生かすという考え方になりますね。生かすというよりも、「任せる」という言い方ですが。

古森 そこですね。そこに明確な姿勢があることに、意味があると思っています。

日置 ですから、グローバル化といっても、技術のベースがあくまで日本にありますから、日本という色を消して無国籍企業になるということではないのです。日本の持つ強みを生かしつつ、一方で、日本にこだわる必要のないものはどんどん現地を信用して任せていく。そういう考え方です。

古森 日本にある強みというのは、どのようなものでしょうか。

日置 日本で生まれたコマツに蓄積された様々な考え方や経験値というものには、やはり大きな意味があります。しかし、コマツだけで強みが成り立っているわけでもありません。建機の産業全体でとらえる必要があります。

古森 産業全体、ですか。

日置 自動車も建機も似たところがありましてね。開発というのは、コマツだけで成り立つものではないのです。鋼板、射出成形、ワイヤ・・・など、まさに色々な要素を担う部品や素材メーカーが同時に関わりあって、開発というのは成り立っています。こうした産業全体の一貫性やレベルの高さという点では、日本が世界一なんですね。

古森 つまり、「コマツは日本発祥の会社だから」ということよりも、開発における「擦り合わせ」を可能たらしめる産業インフラを探したら、結局世界の中で日本に行き着くということでしょうか。だから、その部分を日本のコマツが担っていくということに理があるわけですね。

日置 あとは、やはりコマツウェイとして集約されている考え方というか、企業としての遺伝子を誰が守っていくかですね。今では、現地のリーダー層が自分の言葉でコマツウェイを伝えるようになってきましたが、やはり「日本で生まれたものを日本の組織が体現して、世界に伝え続ける」という象徴的位置づけは、なくならないと思います。これも日本にあるコマツの役割の一つだと思います。

古森 話が、やはりコマツウェイに流れてきましたね。


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