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第21回 東日本旅客鉄道株式会社 取締役 人事部長 森本 雄司さん (1/4)
C-Suite Talk Live 21回目は、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)取締役人事部長でいらっしゃいます、森本雄司さんにご登場頂きます。

JR東日本。毎日およそ1,600万人が利用する日本最大の鉄道インフラを支える会社。近年では、「駅ナカ」といわれる小売事業や電子マネー「Suica」の導入で、鉄道にとどまらず様々な生活シーンに新しい利便性をもたらす存在になってきました。

森本さんは、1979年に日本国有鉄道に入社されました。1987年、民営化の年に東北地域本社で総務部人事課長へ。国鉄からJRへの大きな変化の年に、人事の世界に入られたわけですね。日本国有鉄道清算事業団出向なども含め、人事・総務の分野を幅広くご経験。鉄道事業の営業部門にも席を置かれた後、2003年に人事部課長、2006年に総務部長、2007年に取締役総務部長、そして2008年より現職でご活躍です。

安全を運ぶため保守的でなければならない側面と、顧客サービスのための事業分野の拡充。そのいずれをも合わせ持つこの企業の内側で、「人・組織」についてどのような取り組みが行われているのでしょうか。森本さんの話を伺いましょう。

C-Suite Talk Live 第21回 ~対談エッセンス~
  • 経営計画は「挑む」ためにある
  • 国鉄からJRへ~組織に残された歪み
  • 実物に触れる機会を
  • 人材育成は、責任と愛情
  • やるなら徹底的にやる
  • 安全は、安定志向では守れない

経営計画は「挑む」ためにある
古森 こんにちは。本日は宜しくお願い致します。私、自宅が中央線に隣接しておりまして、私が寝ている部屋の1メートル隣がもう中央線です。おそらく、日本人の中で最もJR東日本さんに「近い」人間の一人ではないかと思います(笑)。

森本 それはまた、縁がありますね(笑)。

古森 この対談、人や組織にまつわる分野を中心に、何か良いこと、ヒントになることを世に伝えていこうという取り組みです。昨年の夏に始めて、各方面から好評を頂いております。まず、JR東日本さん全体のことについて、はじめに少しお伺いしたいと思います。

森本 そうですね・・・。まずお話しすべきは、経営計画のことでしょうか。

古森 是非、お聞かせ下さい。

森本 2008年4月に、中期経営計画「グループ経営ビジョン2020-挑む-」をたてることになりました。通常、中期計画といえば2~3年か、せいぜい4~5年スパンですよね。

古森 ええ、そうですね。

森本 弊社の場合は、「それでは現実的なところに落ち着き過ぎるのでは」ということになりまして、具体的に達成すべき3年程度の数値目標に加え、夢に向かって挑戦していこうということで10年程度先(2020年)の目標の両方を持つことにしたのです。本当にやるべきことを目標に掲げて挑むために、あえて10年先の目標を設定したということです。

古森 何が短期、中期、長期にあたるかは、企業ごとに違って良いと思います。実質的には1年が中期にあたるような企業もあります。経営計画の時間軸にも経営の意思が感じられて、常々興味深いと思っています。

森本 現実には、弊社でも、計画発表直後からリーマンショックに端を発する経済の荒波にさらされ、数値計画の前提が変わったりしていますが、10年先の目標に向かう気持ちは変わっていません。

古森 もし短いスパンで計画を立てていたら、出来ない理由を探したり、新しい数値計画を正当化したりするのに大変なエネルギーを使うことになったかもしれませんね。

森本 幸いにも、10年スパンで目指すべきものをしっかりと意識しているので、経済的混乱の中でも「お客さまにより良いサービスを提供していくために挑戦しよう」という姿勢は揺らぎませんでした。数字も当然大事なのですが、それ以上に「挑む気持ち」を大切にしたいのです。

古森 一般的に「JR」と聞いて想起するイメージとは、ちょっと違う感じですね。

森本 なんと言いましても、国鉄改革が弊社のスタート地点です。変えるべきもの、残すべきものを取捨選択するところから、この会社は始まりました。その原点に立ち返って、継続的に改革に取り組むことが大事です。

古森 初心を忘れない、ということですね。

森本 状況に応じた変化の大切さは、身にしみています。国鉄時代は、時代の変化に対応できない、まさに内向きの組織でした。JRになって、時代にあわせて「変えていくべきところは変えていく」というのが基本精神になっています。その基本精神が、現在の中期経営計画においても基点になっているのです。また、弊社の基本は「安全」であり、中期経営計画の中でもそのことを大前提と考えていますし、教育の中でも最も重視しています。そのことは、新白河の総合研修センターにある事故の歴史展示館を見ていただければわかります。


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