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マーサー 『2009年世界生活環境調査』の結果を発表
マーサー 『2009年世界生活環境調査』の結果を発表


日本
東京, 28 April 2009

 

 「世界生活環境ランキング」と「都市インフラ・ランキング」を発表
 ウィーンが「世界生活環境ランキング」のトップ、バグダッドが最下位
 ヨーロッパの都市が「世界生活環境ランキング」の上位を独占
 シンガポールが「世界生活環境ランキング」でアジアの首位、「都市インフラ・ランキング」では総合首位に



マーサーは、「2009年世界生活環境調査」の結果を発表した。

調査結果によると、「世界生活環境ランキング」では昨年2位のウィーンがチューリッヒを抜いてトップとなり、続く3位にはジュネーブ、4位にはバンクーバーとオークランドという結果となった。

前回調査に引き続き、ヨーロッパの都市が世界生活環境ランキングの上位を占める結果となった。イギリスは、ロンドンが38位、バーミンガムとグラスゴーが共に56位となっている。米国都市の最高位はホノルルの29位である。アジアの都市ではシンガポールの26位が最高位となっており、続く東京が35位となっている。一方、ランキングの最下位(215位)は、前回に引き続きバグダッドとなっている。

このランキングは、ポイント加算式の指数基づいており、ニューヨークのスコアを100として各都市のスコアを算出したものである。1位のウィーンのスコアは108.6、最下位のバグダッドは14.4となっている。「世界生活環境調査」は、政府や民間企業が従業員を海外に派遣する際の「ハードシップ手当」を決定するためのデータを作成する目的で、世界215都市で実施されている。

インフォメーション・プロダクト・ソリューションズ部門のアジア太平洋グローバル・モビリティーリーダーであるキャシー・ルース氏は、「昨今の経済不況により、多くの多国籍企業はコスト削減を目的とした海外派遣者規程の見直しを検討しています」と述べている。

「企業は派遣者数の削減や、可能な限り海外派遣者報酬パッケージを現地化することを考えていますが、派遣先の生活環境に基づくハードシップ手当は、今後もパッケージの構成要素として不可欠なものとして残るでしょう。」とルース氏は続ける。

都市インフラ・ランキング
今年度のランキングは、電気、水道の供給状況、電話や郵便サービス、公共交通機関、交通渋滞状況、国際線の就航数という観点から、「都市インフラ」に関するスコアも算出している。この結果によると、シンガポールが109.1ポイントで首位となっており、2位にミュンヘン、3位にコペンハーゲンが続いている。さらに、4位にはつくば、5位に横浜、デュッセルドルフとバンクーバーが共に6位という結果となっている。一方、最下位は19.6ポイントのバグダッドであった。

ルース氏は、「都市インフラの整備状況は、海外派遣者の生活環境に大きな影響を与えます。都市インフラが整備されている場合は当然のものと感じますが、不十分であれば生活に困難が生じてしまいます。企業は、都市のインフラ整備状況を含む生活環境を正確に把握して、海外派遣者に適切な補償を行う必要があります」と述べている。

■地域別分析

アジア・太平洋
アジア・太平洋地域では、オークランド(4位)が前回に引き続き世界生活環境ランキングの最高位となっており、10位のシドニーと12位のウェリントンがそれに続いている。この地域の都市の多くは、前回調査からの順位変動があまり見られないものの、シンガポールは2008年から順位を6つ上げて26位になっている。シンガポールは金融センターとしての重要性を高めており、増加する海外派遣者家族のために多くのインターナショナルスクールや私立学校がある。また、北京は2008年8月に開催された北京オリンピックを背景とした公共交通機関の整備向上を受けて、前回の116位から順位を3つ上げて113位となった。

一方で、安定性や安全の観点から前回より順位を下げた都市は、バンコク(109位から120位)とムンバイ(142位から148位)である。タイの政情不安は2008年から2009年にかけて続き、バンコクでは集会や暴動が相次いだ。ムンバイは、爆破テロの発生により生活環境が悪化する結果となった。なお、アジア・太平洋地域における最下位はバングラデシュのダッカで205位であった。

ルース氏は、次のように述べている。「アジア・太平洋地域は多様性に富んでいます。近年この地域の複数の都市で見られる政情不安やテロ攻撃は、生活環境にマイナス影響を与えています。企業は、海外派遣者に対して適切なハードシップ手当を設定することに加え、派遣者の住居が警備されていることの確認、緊急避難時の有効なコミュニケーション経路の提供といった安全対策を導入するなど、海外派遣者戦略を再検討する必要があります。」

都市インフラ・ランキングでは、シンガポールが109.1ポイントで世界1位となった。シンガポールは数多くの国際便が就航する優れた空港施設を有しており、効率的かつ広範な公共交通網も発達している。その他の上位都市は、香港(8位)、シドニー(11位)、東京(12位)である。その一方で、ダッカは197位でアジア・太平洋地域での最下位となった。

南北アメリカ
北米都市の世界生活環境ランキングの順位は、前回調査と大きく変わっていない。カナダの都市が上位を占めており、バンクーバー(4位)が北米における最高位を維持する結果となった。ホノルル(29位)が米国都市の中で最上位にランクしており、ワシントンDCとニューヨークが前回と同様にそれぞれ44位と49位となっている。

中南米では、プエルトリコのサンファンが72位で最高位となっており、79位のモンテビデオがそれに続いている。前回に続いて最下位となったハイチのポルトープランス(206位)は、2008年に発生した食糧不足とそれに伴う暴動の影響により、順位を前回から4つ下げている。

マーサーのシニア・リサーチャーであるスラジン・パラカティル氏は次のように述べている。「中南米諸国の中には、生活環境がプラスに変化しているところもあります。しかし、全般的には政治や治安問題、自然災害の発生等が生活環境の向上を遅らせる要因となっています。さらに、消費財不足が生活環境レベルの低下につながっている都市もあります。」

都市インフラの観点では、バンクーバー(6位)が世界生活環境ランキングに引き続き北米における最高位にランクし、続くアトランタが15位となっている。中南米ではチリのサンチアゴがトップである一方、ポルトープランスが212位で最下位となっている。

ヨーロッパ 
前回に引き続き、ヨーロッパの都市が世界生活環境ランキングの上位に名を連ねる結果となった。ウィーンは、オーストリアの政治社会環境の向上により、前回調査から順位を1つ上げて世界で最も生活環境の良い都市としてランクされた。上位10位にランクされたヨーロッパの都市は、昨年1位のチューリッヒ(2位)、ジュネーブ(3位)、デュッセルドルフ(6位)、ミュンヘン(7位)、フランクフルト(8位)、ベルン(9位)となっており、ドイツとスイスが独占する結果となった。なお、ほとんどの都市の順位は前回調査から変わっていない。

多くの東欧都市において、生活環境の向上が見受けられる。2004年に欧州連合(EU)に加盟した国々では、社会の安定、生活水準の向上、輸入品目の調達状況の改善等により、着実に生活環境が改善されている。スロベニアのリュブリャナは昨年から順位を4つ上げて78位に、ブラティスラバとザグレブはそれぞれ順位を3つ上げて88位と103位になった。

都市インフラ指数で見ると、ドイツの都市が高水準を満たしている結果となった。ミュンヘン(2位)がヨーロッパでの最高位にランクし、デュッセルドルフ(6位)、フランクフルトおよびロンドン(8位)がそれに続く。パラカティル氏は、「ドイツの都市インフラは世界でもトップ水準ですが、特にハイレベルな空港施設と海外都市への就航便数が多いことが水準を高める大きな要因となっています」と述べる。

ロンドンの都市インフラ指数は、公共交通網や多様な通信サービス等の充実した公共サービスが反映された結果となっている。

中東・アフリカ 
アラブ首長国連邦のドバイ(77位)と、モーリシャスのポートルイス(82位)が、中東・アフリカ地域の上位にランクした。ドバイは、道路整備と国際空港の拡張により、前回から順位を6つ上げる結果となった。

南アフリカ共和国のケープタウンは、前回調査では80位と中東・アフリカ地域において最高位にランクされていたが、2008年に南アフリカ主要都市で発生した暴動が原因となり、今回は順位を大きく下げて87位になっている。

バグダッド(215位)は前回に引き続き最下位ではあるものの、投資を促進するためのインフラ整備が徐々に進み、指数そのものは前回の13.5ポイントから14.4ポイントへと改善している。しかし、治安の悪さや政治・社会不安が目立つバグダッドの生活環境指数は、214位の中央アフリカ共和国のバンギの指数(29.3ポイント)を大きく下回る結果となった。

都市インフラ・ランキングでは、中東・アフリカ地域の都市の多くは100位以下にランクされているが、例外としてドバイ(35位)、テルアビブ(55位)、エルサレム(70位)、アブダビ(72位)、ポートルイス(92位)、カイロ(93位)が挙げられる。バグダッド(215位)は世界生活環境ランキングに続き最下位で、19.6ポイントであった。214位はナイジェリアのポートハーコートで、指数は30.5ポイントとなっている。

パラカティル氏は、「アフリカ諸国の多くは政治・経済不安を抱えており、海外派遣者にとって引き続き生活が困難な地域となっています。多国籍企業は、給与と福利厚生を他地域よりも高めに設定することで、このような生活環境差に対応しています」と語る。





ランキング上位50都市 (順位と指数)

1. Mercer Quality of Living Survey - Worldwide Rankings, 2009  「生活環境ランキング」
2. City Infrastructure - Ranking 2009 「都市インフラ・ランキング」


Mercer Quality of Living Survey - Worldwide Rankings, 2009
Base City: New York, USA (=100)
 
Rank
2009
Rank
2008
City Country QoL Index 2009 QoL Index 2008
1 2Vienna Austria 108.6107.9
2 1Zurich Switzerland 108108
3 2Geneva Switzerland 107.9107.9
4 4Vancouver Canada 107.4107.6
4 5Auckland New Zealand 107.4107.3
6 6Dusseldorf Germany 107.2107.2
7 7Munich Germany 107107
8 7Frankfurt Germany 106.8107
9 9Bern Switzerland 106.5106.5
10 10Sydney Australia 106.3106.3
11 11Copenhagen Denmark 106.2106.2
12 12Wellington New Zealand 105.9105.8
13 13Amsterdam Netherlands 105.7105.7
14 14Brussels Belgium 105.4105.4
15 15Toronto Canada 105.3105.3
16 19Ottawa Canada 105104.7
16 16Berlin Germany 105105
18 17Melbourne Australia 104.8104.8
19 17Luxembourg Luxembourg 104.6104.8
20 20Stockholm Sweden 104.5104.5
21 21Perth Australia 104.3104.3
22 22Montreal Canada 104.2104.2
23 23Nurnberg Germany 104.1104.1
24 24Oslo Norway 103.7103.7
25 25Dublin Ireland 103.6103.5
26 32Singapore Singapore 103.5102.9
26 25Calgary Canada 103.5103.5
28 27Hamburg Germany 103.4103.4
29 28Honolulu United States 103.1103.1
30 29San Francisco United States 103103
30 29Helsinki Finland 103103
30 29Adelaide Australia 103103
33 32Paris France 102.9102.9
34 34Brisbane Australia 102.4102.4
35 35Tokyo Japan 102.2102.2
35 37Boston United States 102.2101.8
37 36Lyon France 101.9101.9
38 38Yokohama Japan 101.6101.6
38 38London United Kingdom 101.6101.6
40 40Kobe Japan 100.9100.9
41 41Milan Italy 100.8100.8
42 48Portland United States 100.6100.2
42 42Barcelona Spain 100.6100.6
44 44Washington United States 100.3100.3
44 44Osaka Japan 100.3100.3
44 44Lisbon Portugal 100.3100.3
44 44Chicago United States 100.3100.3
48 43Madrid Spain 100.2100.5
49 49New York City United States 100100
50 50Seattle United States 99.8 99.8



City Infrastructure - Ranking 2009
Base City: New York, US (=100)
 
Rankings City Country Infrastructure Index*
2009
1 Singapore Singapore 109.1
2 Munich Germany 106.5
3 Copenhagen Denmark 106.2
4 Tsukuba Japan 105.5
5 Yokohama Japan 105.1
6 Dusseldorf Germany 105
6 Vancouver Canada 105
8 Frankfurt Germany 104.8
8 Hong Kong Hong Kong 104.8
8 London United Kingdom 104.8
11 Sydney Australia 104
12 Tokyo Japan 103.4
13 Paris France 103.1
14 Zurich Switzerland 102.6
15 Atlanta United States 102.3
15 Bern Switzerland 102.3
15 Montreal Canada 102.3
18 Toronto Canada 101.9
18 Vienna Austria 101.9
20 Hamburg Germany 101.5
20 Helsinki Finland 101.5
20 Oslo Norway 101.5
20 Stockholm Sweden 101.5
24 Brussels Belgium 101.2
24 Washington United States 101.2
26 Amsterdam Netherlands 101
27 Nurnberg Germany 100.5
28 Chicago United States 100.3
29 Berlin Germany 100.1
29 Nagoya Japan 100.1
29 Osaka Japan 100.1
32 New York City United States 100
33 Boston United States 99.9
34 Kobe Japan 99.4
35 Dubai United Arab Emirates 99.2
35 Geneva Switzerland 99.2
35 Melbourne Australia 99.2
38 Adelaide Australia 98.9
38 Brisbane Australia 98.9
38 Perth Australia 98.9
41 Honolulu United States 98.6
42 Ottawa Canada 98.5
43 Auckland New Zealand 98.1
43 Madrid Spain 98.1
45 Birmingham United Kingdom 97.8
45 Glasgow United Kingdom 97.8
47 Miami United States 97.3
47 Wellington New Zealand 97.3
49 Houston United States 96.5
49 Milan Italy 96.5
49 Seattle United States 96.5

※「都市インフラ・ランキング」は、電気、水道、電話、郵便、公共交通機関、交通渋滞、および空港を基準として評価しています。




付記:2009年世界生活環境調査について

世界生活環境ランキングは、マーサーがグローバルで実施する世界生活環境調査の最新の結果に基づいています。マーサーでは調査対象の都市ごとに個別レポートを作成しています。全都市を対象としたサマリーレポートは作成しておりません。基準都市と対象都市を選んでご購入いただく生活環境指数(レポート)の価格は、一都市につき390USDです。複数都市比較も可能です。

本データは主に2008年9月から11月にかけてマーサーが収集したもので、環境の変化に対応して定期的に更新されています。マーサーのデータベースは、現在420都市以上のデータを有していますが、毎年一貫した比較をするため、そのうちの215都市を2009年生活環境ランキングの対象としています。

生活環境が厳しい地域を含む海外で働く派遣者とその家族に、ハードシップ(困難)に対するインセンティブが支払われることが多くなっています。一般的なインセンティブとして、ハードシップ手当海外勤務手当(モビリティープレミアム)があります。企業は、合理的で、一貫性のある海外駐在員の報酬制度体系を構築する必要があります。

ハードシップ手当は、派遣元と派遣先の生活環境差に対して支払われる手当という性質上、赴任先により異なります。一方、海外勤務手当(モビリティープレミアム)は、本国を離れて海外で勤務することに対する奨励として支払われるため、赴任先によって金額が変わるものではありません。

マーサーの調査では、世界420都市において生活環境査定に必要な39の重要項目について評価を実施しており、以下の10カテゴリーに分類されています。


政治・社会環境(政情、治安、法秩序等)
経済環境(現地通貨の交換規制、銀行サービス等)
社会文化環境(検閲、個人の自由の制限等)
健康・衛生(医療サービス、伝染病、下水道設備、廃棄物処理、大気汚染等)
学校および教育(水準、およびインターナショナルスクールの有無等)
公共サービスおよび交通(電気、水道、公共交通機関、交通渋滞等)
レクリエーション(レストラン、劇場、映画館、スポーツ・レジャー施設等)
消費財(食料/日常消費財の調達状況、自動車等)
住宅(住宅、家電、家具、住居維持サービス関連等)
自然環境(気候、自然災害の記録)


上記の項目スコアは2都市間で比較することが可能です。「生活環境指数」は、2都市間の相対的差異を比較するための指数となっています。生活環境指数を実際に適用していただくために、マーサーでは生活環境指数の結果からハードシップ手当相当額を算出するための割合を参照いただける表(grid)をご提供しております。


<詳細および、レポートのお申込みにつきましては、インフォメーション・プロダクト・ソリューションズ部門
 (電話:03-5354-1483) もしくは mobi...@mercer.comまでご連絡下さい。>




マーサーについて

 マーサー (英語社名:Mercer、本社: ニューヨーク、会長兼CEO:ミッシェル・バーンズ) は、ニューヨークを本拠地とし、世界40カ国約180都市にわたるグローバル・ネットワークに18,000名以上のスタッフを擁する世界最大級の組織・人事マネジメント・コンサルティング会社です。世界全域において25,000以上のクライアントに対し、コンサルティング、アウトソーシング、インベストメント分野でサービスを提供しています。

マーサーの日本法人であるマーサー ジャパン (代表取締役社長:古森剛、本社:東京都新宿区)は、約30年の豊富な実績とグローバル・ネットワークを活かし、あらゆる業種の企業・公共団体に対するサービス提供を行っています。組織改革、人事制度構築、福利厚生・退職給付制度構築、M&Aアドバイザリー・サービス、グローバル人材マネジメント基盤構築、給与データサービス、年金数理、年金資産運用など、日本で数少ないフルラインの組織・人事コンサルティング・サービスを提供しています。

また、マーサーは、130年以上にわたり世界100カ国以上でサービスを提供しているマーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズ(MMC)グループの一員です。同じグループ企業で、世界最大級の保険ブローカー/リスクマネジメント・コンサルティング会社であるマーシュ社などと協働することで、組織・人事分野に留まらず、ワンランク上の経営的視点に立った幅広いソリューションを提供することが可能です。



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