クロージング後約3ヶ月以内(100日間)に、買収先の基本計画である「100日プラン」を作成します。最初に買い手が、検討のガイドライン(プランに織り込む業績目標)をしっかりと打ち出すことが重要です。
クロージング後の買収先の基本計画を、原則としてクロージング後約3か月(100日間)で策定します。この基本計画は、当年度の残り期間の業績目標の見直しや次年度の業績目標の検討など、比較的短期間の計画を検討することも、より長いスパンの計画を検討することもあります。 なお、クロージング後100日間で完了する短期アクションアイテムのことを、100日プランと呼ぶ場合もあります。
買収先の業績目標を明らかにし、インセンティブと紐づけることによって初めて、買収先の経営者に対するコントロール(ガバナンス)が利きます。業績目標の設定に際しては、事業の潜在力や投資回収の観点から、低い目標を設定しないように留意しなければなりません。また、買収先社員の期待を醸成するには、買収後3か月程度で目指す姿を明確に打ち出す必要があります。
理想的にはクロージング前に、投資家・株主の観点から期待する業績のガイドラインと、計画に織り込むべき取り組み項目の柱を明らかにし、検討体制と検討メンバーを固めます。準備プロセスには買収先トップをうまく巻き込み、支持を得て実行に移します。
M&Aにおける100日プランの名は、ディールのクロージング直後の100日間(約3か月)で検討した事業プラン、あるいはアクションプランというところから来ている。「この先、この会社(事業)は一体どうなるのか?」と期待感あるいは逆に不安感を持って待っている買収先の社員に対して、確かな方向感をタイムリーに提示して期待を醸成し、また不安を軽減して人心を束ねることが重要である。
会社の将来に期待が持てなければ、社員の会社に対する気持ちは離れてしまう。このことは、特にクロスボーダーM&Aにおいて顕著である。従って100日プランの内容は、やって当たり前のことが含まれていてもよいが、社員から見て魅力的で、「それだったら会社に残ってがんばろう」という気にさせるものになっている必要がある。
従って、社員からみて魅力的で納得できるものであれば、100日プランの内容は既存年度予算の見直しでも、次年度事業計画の策定でも、新3カ年計画の骨子策定でも、傾いている会社の業績を立て直す緊急止血策など、何にでもなり得る。これからの事業の計画と組織の姿を、クロージング後100日で分かりやすく打ち出し、期待感を社員に示すことが大切なのであり、それをちゃんとやって見せることが組織運営の規律なのである。
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