Masanao Asai

マーサージャパン浅井将尚

次へ踏み出す、自分への挑戦。

才を尽くし、未来に備える。

専門分野は、年金です。たとえば、2つの会社が統合する時に、それぞれ違う人事制度をすり合わせて1つにするように、年金制度も様々な調整が必要になります。専門家でないと解決できない複雑なプロセスがあるので、それをお客様に分かりやすくお伝えして支障のないよう仕組みを構築し直す仕事です。本社からの要請で、制度そのものを整理する場合もありますが、そういう時は従業員から反発が出ないように、社内の事情や状態を見定めながら、より良い方向に導くサポートをします。法律や基準を読み解いて、試行錯誤しながら資料を作る文系的な能力も求められますし、数学的な能力だけではない、コミュニケーション力も大いに問われる仕事ですね。

年金コンサルティングのコンサルタントは、アクチュアリーという資格を取得します。不確定要素の多い将来において、望まない出来事が起こってしまう確率を予測し、事前の備えをすると同時に実際に起こってしまった出来事の影響を最小限に抑える。そういう術を持つスペシャリストがアクチュアリーです。関連する幅広い分野の最新情報を把握し、お客様が抱える課題や千差万別のニーズに対して、あらゆるアプローチでアドバイスします。特に年金アクチュアリーの業務は、基本的には人対人。経済的かつ精神的なお客様の負担をどれだけ減らせるかは、その人と密接に関わらなければ見えてきません。

ただ走り続ける

誰よりも速く そして長く遠くまで

毎日が記録への挑戦です

道半ば、ここからが本番。

なぜ、このような仕事に就いたのか。振り返ると、挫折した経験が脳裏に蘇ります。学生時代は負けず嫌いで、何でも理詰めで考えるタイプでした。ニーチェを愛読し、哲学者や数学者に憧れるようなインテリ思考もあって。他の学生たちに負けたくない一心で数学に没頭し、眠りについても夜中に突然飛び起きて、また数式をいじり出すという不健康な日々が続いていました。それでも何かすごいことを成し遂げられる気でいたのですが、実際の着地点は自分が思っていたよりも下だった。絶望と敗北感に苛まれましたね。一方で、具体的な将来設計もなく、そういう状態で数学を続けたら、いつか本当に死んでしまうかもしれないとも思いました。だったら軌道修正するしかないと、頭を切り替えたんです。走り出したら、止まらない。気になるところは、突き詰めたい。その性格は変えられそうもないので、着地点を見定めれば良いのだと気付いたことが未来に繋がる分岐点になりました。プロジェクトも、最適と思われる所に着地させることが大事ですから。そういう意味では、持てる能力とメンタリティを今の仕事に活かせていると思います。

ランニングが趣味なんです。4年ほど前からマーサーの仲間たちと走り始めました。フルマラソンの大会にも出ますが、1500mぐらいの中距離が性に合っているようで。アマチュア大会の壮年の部に出場すると、ゴールと同時に全員がぜぇぜぇと息を切らして倒れこむんですよ。走った日はすっきり良く眠れますし、オーバーヒートしがちな頭をリセットする効果もあります。抱えている仕事は複雑かつエンドレスで、着地点を見出すのもひと苦労ですが、その点、ランニングはわかりやすい。目指すべきは自己記録の更新ですから、他者よりもまず自分に打ち勝つことが肝心。健全かつ単純明快な走るという行為によって、無意識に自己管理しているのかもしれませんね。

現在は、多国籍のチームを任されているので、各々のポテンシャルを活かした役割分担やペース配分がマネジメントの要になります。仕事でもスポーツでも、チームプレイには苦手意識があったのですが、いろんな個性があるから面白いと思えるようになりました。メンバー全員で知恵を絞って攻略しようという気持ちが芽生えましたね。とはいえ、自分はまだ発展途上。800mにたとえると、400mトラックでもう1周ある。まだ足も上がるから、加速できるはず。思ったような結果が出ないこともありますが、どうであれ、がんばるしかない。ただ、走り続ける。誰よりも早く、そして長く、遠くまで走り続ける。毎日が記録への挑戦です。そうそう、最後に一つ宣言しておきたいことが。世界最高レベルといわれるベルリンマラソンに、市民ランナー代表として出場したいです。抽選なしで出場できるアマチュア選手の選考基準は、おそらく2時間45分。自己ベストが2時間52分だから、あと7分! 達成できたら大記録ですが、ベルリンの街を駆け抜けて、ぜぇぜぇしながらゴールしたあとに、ジョッキでドイツビールを飲めたら最高です!
Break the record.