マーサー「グローバル年金指数ランキング(2013年度)」を発表

マーサー「グローバル年金指数ランキング(2013年度)」を発表

マーサー「グローバル年金指数ランキング(2013年度)」を発表

  • 07-October-2013
  • グローバル, 東京



  • 日本の指数・ランキングに変化なし
  • デンマークは指数が低下するも首位を堅持
  • 日本は定年後の問題解決への根本的な改善が求められる
  • 「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数(2013年度)」 は20ヶ国を対象に実施し、対象範囲が世界の人口の55%超に拡大
マーサーは、2013年度グローバル年金指数ランキング
「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数」
を発表した。

当ランキングは世界各国の年金制度を比較したもので、日本の年金制度は昨年2012年の指数、ランキング共に変化がなく、制度の安定性はみられるも、高齢化人口をめぐる課題に対する取り組みなど引き続き改善の余地があることが明らかになった。

日本の総合指数は2012年、2013年ともに44.4であった。しかしながら日本の"十分性(Adequecy)"の項目は改善がみられ、指数は2012年の46.1から47.9に上がった。一方、"健全性(Integrity)"の項目指数は2012年の63.3から60.5に若干下がった。

デンマーク、オランダ、オーストラリアはトップ3の順位を維持。デンマークは昨年2012年に最高ランク"A"の評価を得た最初の国だが、2013年も総合指数を82.9から80.2に若干落とすも首位を堅持した。同国の十分に積み立てられた年金制度、優れた資産構成と掛金の水準、十分な給付レベルおよび法令の整った個人年金制度が高く評価された。

シンガポールの順位は13位から7位と飛躍的に上がり、上位10位に入った。シンガポールの総合指数は2012年の54.8から2013年の66.5と伸び、ランク評価も"C"から"B"へと上がった。これはOECDが中央積立基金(CPF)への取り組みと個人年金のデータを改正したことに起因する。

マーサージャパンの年金コンサルティング部門代表を務める北野信太郎は以下の通りコメントしている。
「ランキング上位の国々においても老後の生活保障の問題は山積しており、例えば総合評価で"B+"評価を得ているオーストラリアにおいても、貯蓄を促進させる法整備を行うなど、更なる対応が求められています。世界的にも類を見ない「長寿社会の最先進国」である日本においては、制度の永続的な安定のために適切な措置を講じることは勿論、それらを迅速に実行に移していくことが待ったなしに求められます。NISA(小額投資非課税制度)の導入や、消費税率の引き上げと社会保障と税の一体改革などの法整備により、来年は日本の総合評価の改善が期待されますが、とても十分とは言えません」

「一方で、海外の事情に目を向けると、確定給付(DB)型の企業年金制度から、確定拠出(DC)型の制度への移行というのは、最近20年ほどの間、世界でも大きなトレンドとなってきました。しかしここにきて、果たしてDC制度で老後を支えるに足る十分な所得補償を実現出来るのか、と問い直す声が上がってきています。日本でも企業年金をDCへと移行させる動きは加速してきましたが、それでも世界全体で見ればまだまだDB型の制度が広く用いられています。老後の生活保障の術としてのDC制度の有効性が問われる中、DB型の企業年金が数多く存在する日本だからこそ、DB制度を維持する意義を再検討してみるのは、価値のある議論ではないでしょうか」

「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数」は今年で5年目になり、2013年の対象国はメキシコとインドネシアが追加され、2009年実施当初の11ヶ国から20ヶ国に増加した。世界の人口の55%超を対象とするまでに拡大している。各国の公的ならびに私的年金制度の積み立てや、個人貯蓄などの年金以外の資産についても客観的な評価をしている。この指数はマーサーならびに豪州ビクトリア州政府の機関であるオーストラリア金融研究センター(ACFS)によって開発され、指数自体は50以上の質問項目から構成されており、「十分性 (Adequacy)」、「持続可能性 (Sustainability)」、「健全性 (Integrity)」に大別される(※調査方法の詳細は別表"FACT SHEET"を参照のこと)。

日本の制度の年金指数を改善する上で、以下のような方策が考えられる:

  • 低所得の年金受給者に対する最低年金額の引き上げ
  • 年金給付額の引き上げに伴う、所得代替率の改善
  • (企業年金などの)老齢給付の一部を年金所得として取得するよう定める規制の導入
  • 平均寿命の増加に伴い、公的年金制度の支給開始年齢の更なる引き上げ

オーストラリア金融研究センター(ACFS)でエグゼクティブ・ディレクターを務めるデボラ・ラーストン教授は本指数について、政府関係者、実業界あるいは学術関係者等にとっても高年齢化社会の課題対策のために非常に価値のあるグローバル・データであると説明する。

2013年度のレポートには、確定拠出(DC)型の制度について1章が追加されている。

マーサーのシニア・パートナーであり当レポートの責任者でもあるデービッド・ノックス博士は次の通り述べている。「世界的な長寿化の波、貯まり続ける公的債務、不安定な経済環境、そしてDC制度への移行の流れの中、老後の生活保障における新たなソリューションの開発や学ぶべき教訓が未だ沢山残されています。」

「DC制度はいくつかの国では確立されて既に長い年月が過ぎ、さらにそのトレンドは他の国々に波及しています。オーストラリアはその中でも最先鋒と言えるでしょう。ただし、そのオーストラリアにおいても、他の国々同様、DC移行により人々の老後を支える十分な所得補償を実現できるか、という問いについてはほとんど未解決のままです。それは世界中の政治家や年金業界の関係者等にとっても解決すべき最重要の課題であるにも関わらず、です。」

「DC制度というのはこれまで資産形成という観点で語られることがほとんどでしたが、そうではなく、老後の所得の形成という視点へと、見方を根本的に変える必要があります。それには老後の生活保障にかかわる様々な不確実性に対応する、効率的かつ公正な所得配布の枠組みを検討しなければなりません。」

「社会的、政治的、歴史的あるいは経済的影響にかかわらず、高齢化時代における課題というのは実は良く似ています。結果的に、各国で採用されている対策も非常に似通ったものになりますし、当指数もそのように有効性が実証されている、優れた施策に焦点を当て、広くグローバル規模で共有することを目的としています」(ACFS:デボラ・ラーストン教授)

 




FACT SHEET– 調査方法
  • 「メルボルン・マーサーグローバル年金指数」は、2009年に11カ国を対象として調査を開始。5年目の本年対象国は20ヶ国に拡大し、対象国の様々な年金制度への取り組みが指数として表される。
  • 調査では、対象国の年金制度に0から100までの評価が付けられ、「十分性(Adequacy)」、「持続性(Sustainability)」、「健全性(Integrity)」の平均評価値が指数として表される。
  • 各国の老後の所得保障制度における50以上の質問項目から構成され評価付けされている。
  • 各項目の評価指数における構成は次の通り。
    • 十分性 (Adequacy)40%
    • 持続性 (Sustainability) 35%
    • 健全性 (Integrity) 25%
  定義
  • 十分性 (Adequacy)  の項目において高い評価を得ている国は、平均以上の最低年金額によって貧困の緩和がみられ、中所得者の所得代替率がよく、老後の所得として定期的に給付を受け取れるシステムがあり、その他の制度が制定されている。
    例えば、公的年金が老後の生活に十分なだけ支払われているか、老後のための貯蓄は十分になされているか、等が評価対象になる。
  • 持続性 (Sustainability)  の項目において高い評価を得ている国では、年金制度に優良なカバレッジ (通常、年金制度の義務化および自動登録などによる)、対GDP年金基金運営資金高比率が達成され、制度の義務化、政府債務が低いことが挙げられる。
    例えば、年金が支払われるのに十分な環境が整っているか、平均寿命と支給開始年齢の関係はよいか、国家の破綻のリスクがなく持続可能なものか等が問われる。
  • 健全性 (Integrity)  の項目では、包括的な規制を設け、年金制度のガバナンスおよび政府と国民間のコミュニケーションにおいて数ヶ国が高評価を得ている。例えば、年金制度をうまく運用するための見直し機能や透明性が担保されているか、また私的年金のスキーム等が評価される。
    なお、昨年より世界銀行が発表している世界ガバナンス指数を評価に加えている。
    * 世界銀行-プレスリリース
    http://web.worldbank.org/WBSITE/EXTERNAL/COUNTRIES/EASTASIAPACIFICEXT/JAPANINJAPANESEEXT/0,,contentMDK:22229248~menuPK:515520~pagePK:1497618~piPK:217854~theSitePK:515498,00.html

 




「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数」の詳細・参考資料は以下をご参照ください :

「マーサー・グローバル年金指数2013」レポート(英文-PDF:約4MB)
ダウンロード: http://www.mercer.com/global-pension-index-pdf

コラム564 世界の年金制度と比較する日本の年金制度~メルボルン・マーサーグローバル年金指数2012
コラム520 世界の年金制度と比較する日本の年金制度~「メルボルン・マーサーグローバル年金指数」
これからの退職年金制度 (マーサーの考え方:概要)

※ 本プレスリリースは米国マーサーが発表したプレスリリースを翻訳・編集したものです。
※ 本リリースURL
http://www.mercer.co.jp/newsroom/2013-global-pension-index.html  日本語

 




マーサー・メルボルン・グローバル年金指数(2013)
総合指数によるランキング結果一覧



国名

総合指数

ランキング

各項目の指数

十分性
40%

持続性
35%

健全性
25%

デンマーク

80.2

1

75.2

86.1

80.0

オランダ

78.3

2

76.6

74.1

87.0

オーストラリア

77.8

3

75.6

73.0

88.1

スイス

73.9

4

72.6

69.0

82.9

スウェーデン

72.6

5

65.2

74.5

81.5

カナダ

67.9

6

72.4

57.9

74.5

シンガポール

66.5

7

59.0

67.5

77.2

チリ

66.4

8

58.6

65.6

79.9

イギリス

65.4

9

68.2

48.0

85.4

ドイツ

58.5

10

69.7

36.8

71.1

アメリカ

58.2

11

56.6

57.8

61.2

ポーランド

57.9

12

64.4

42.6

68.9

フランス

53.5

13

71.7

31.7

55.1

ブラジル

52.8

14

63.3

26.0

73.6

メキシコ

50.1

15

51.9

41.0

47.9

中国

47.1

16

61.1

28.9

50.0

日本

44.4

17

47.9

28.9

60.5

韓国

43.8

18

43.7

41.0

47.9

インド

43.3

19

41.2

40.8

50.3

インドネシア

42.0

20

29.8

37.7

67.3

平均値

60.0

 

61.2

51.9

69.4






年度別総合指数によるランキング推移

総合
ランキング

年度

2013

2012

2011

2010

2009

1

デンマーク

デンマーク

オランダ

オランダ

オランダ

2

オランダ

オランダ

オーストラリア

スイス

オーストラリア

3

オーストラリア

オーストラリア

スイス

スウェーデン

スウェーデン

4

スイス

スウェーデン

スウェーデン

オーストラリア

カナダ

5

スウェーデン

スイス

カナダ

カナダ

カナダ

6

カナダ

カナダ

イギリス

イギリス

イギリス

7

シンガポール

イギリス

チリ

チリ

チリ

8

チリ

チリ

ポーランド

ブラジル

シンガポール

9

イギリス

アメリカ

ブラジル

シンガポール

ドイツ

10

ドイツ

ポーランド

アメリカ

アメリカ

中国

11

アメリカ

ブラジル

シンガポール

フランス

日本

 

12

ポーランド

ドイツ

フランス

ドイツ

-

13

フランス

シンガポール

ドイツ

日本

 

-

14

ブラジル

フランス

日本

 

中国

-

15

メキシコ

中国

インド

-

-

16

中国

韓国

中国

-

-

17

日本

 

日本

 

-

-

-

18

韓国

インド

-

-

-

19

インド

-

-

-

-

20

インドネシア

-

-

-

-






DC制度加入者の老後生活の成果向上への取り組み

加入者に期待される成果 制度が保持するべき望ましい特徴 着実な仕組みづくり構築のためのアイディア
  • 高リターンを稼ぐ資産運用(特に残りの期待余命が20年を超える可能性のある老後初期段階)
  • 老後生活中アクセス可能な資産
  • 長寿や金利、インフレーション等のリスクからの保護
  • 退職時に原資を一括で引き出すことが出来る範囲を制限する
  • 老後の生活中において不意の支出の変動に対応するよう、原資の一部引き出しを認める柔軟性
  • 老後生活の初期段階においては、ある程度の柔軟性を持たせた商品、例えば一定レベルの所得の保証をつけた有期年金や原資の分割払い等
  • 長寿リスクのプーリングを実現する保険タイプの商品(特に老後生活後期段階)
  • 短時間労働等、年金を受給しながら雇用を継続するような段階的引退を可能にする構造
  • 契約等で固く保証しない、「緩い保証」によるリスクヘッジ策、例えば100%未満のインフレ連動など
  • 死亡リスクをプーリングすることで、予想より早く死亡した受給者の原資を長く生きる受給者へと再配分する仕組み
  • 運用リターンの変動制を緩和する仕組み
  • 経済環境の変動に伴って対応させる、柔軟な資本規制
  • 所得引出型の商品の提供を義務付け、最低数と最大数を設ける
  • 公的並びに私的年金の支給開始時期を平均余命に柔軟に連動させる仕組みづくり






オーストラリア金融研究センター(ACFS)について
オーストラリア金融研究センター (ACFS)は、 モナッシュ大学、RMIT大学、ビクトリア州政府からのシード資金で2005年に設立された、メルボルン とFinsia (オーストラリアの金融サービス機関)の大学の非営利コンソーシアムです。 また、ACFSのための資金は企業スポンサーや、研究パートナーシップを通じて導出されます。 ACFSの使命は、オーストラリアの政府、金融機関や大学の研究、実践、教育および評価を強化するために金融業界の学者、実務家や政府間のリンクを構築することです。ACFSは最先端の金融研究、論評、ソートリーダーシップを進めています。詳細は以下をご参照ください:
http://www.australiancentre.com.au/
http://www.globalpensionindex.com



マーサーについて
マーサー(英語社名:Mercer、本社: ニューヨーク、社長兼CEO:Julio A. Portalatin) は、組織・人事、福利厚生、年金、資産運用分野でサービスを提供するグローバル・コンサルティング・ファームです。全世界約20,000名のスタッフが40カ国以上約180都市の拠点をベースに、140カ国以上で、25,000超のクライアント企業のパートナーとして多様な課題に取り組み、最適なソリューションを総合的に提供しています。

日本においては、35年余の豊富な実績とグローバル・ネットワークを活かし、あらゆる業種の企業・公共団体に対するサービス提供を行っています。組織変革、人事制度構築、福利厚生・退職給付制度構築、M&Aアドバイザリー・サービス、グローバル人材マネジメント基盤構築、給与データサービス、年金数理、年金資産運用など、「人・組織」を基盤とした幅広いコンサルティング・サービスを提供しています。

マーサーは、ニューヨーク、シカゴ、ロンドン証券取引所に上場している、マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズ(証券コード: MMC)グループの一員です。

マーサーについての詳細は、以下をご参照ください
マーサー ジャパン http://www.mercer.co.jp
Mercer(Global) http://www.mercer.com



マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズについて
マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズ(ニューヨーク証券取引所コード: MMC) は、グローバルプロフェッショナルサービスを提供する企業グループとして、顧客企業にリスク、戦略、人材分野の助言とソリューションを提供しています。

マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズマーシュ(保険仲介とリスクマネジメント)、 ガイカーペンター(再保険仲介・コンサルティング)、 マーサー(組織・人事マネジメント・コンサルティング)、そして オリバーワイマン(戦略コンサルティング)から構成されており、年間総収入110億米ドル超、全世界に53,000名の従業員を擁し、100ヶ国以上で顧客に分析、アドバイスを行い、各種取引を支援しています。
当グループは責任ある企業市民として事業展開しているコミュニティに貢献しています。詳しい企業情報については www.mmc.com、今日企業が直面する課題に取り組む当グループの国際的な実務能力とソリューションについては www.PartneringImpact.com をご覧ください。

 




本件に関するお問い合わせ
マーサージャパン株式会社
広報
小原 香恋 Karen Ohara
Tel: 03-5354-1674 pr.japan@mercer.com

年金コンサルティング部門
北野 信太郎 Shintaro Kitano
Tel: 03-5354-5450  retirement.japan@mercer.com
http://www.mercer.co.jp/about-mercer/lines-of-business/retirement.html


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