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マーサー 「グローバル年金バイアウト指標」を発表 - 2018年は世界各国の年金バイアウト市場にとって史上最大の出来高となる見通し

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マーサー 「グローバル年金バイアウト指標」を発表 - 2018年は世界各国の年金バイアウト市場にとって史上最大の出来高となる見通し

  • 2018年3月27日
  • 日本, 東京

世界最大級の人事・組織コンサルティング会社マーサーが公表する 「グローバル年金バイアウト指標」 によると、2017年の5つの主要な年金バイアウト市場では、いくつかの大きな変動があったものの、会計上の負債額に対するDB(確定給付企業年金)バイアウトの平均的コストは、概ね安定的に推移した。

本指標は、アイルランド、米国、カナダ、英国、ドイツの5ヵ国における年金会計上の債務に対する 年金バイアウトのコストをトラッキングしたものである。
「グローバル年金バイアウト指標」は、年金バイアウトへの関心の高まりを受け、2014年にマーサーが開発したもので、企業会計上の債務を100%とすると、年金バイアウトを行う際に必要となるキャッシュが何%になるかを指標化したものである。当指標は、企業会計上の計算前提と、保険会社が債務を引き受ける際に用いる計算前提の差の変動が反映されるだけではなく、大きなディールが行われた後であれば指標が上昇するといった、年金バイアウト市場の実環境が広く反映される画期的な指標である。

この指標をみると、同じ100の会計債務を清算するのに必要な追加コストは国と時期によって異なることが分かる。例えばどちらも成熟したバイアウト市場を有する米国と英国を比べてみると、米国の追加コストが5%ほどなのに対して、英国の追加コストは約15%程度で推移している。これは両国のDB制度の設計に負うところが大きい。
例えば、英国のDB制度では、受給中の給付にインフレ連動を義務付け、なおかつ、受給者の死亡後も寡婦年金が提供されるなど、給付のデュレーションが米国に比べて長くなっており、引き受け手の保険会社の保険料も同様に高くなる傾向がある。

2018年に目を向けると、好況な資産運用環境を背景に、マーサーでは年金バイアウトのディール数、規模ともに、史上最大規模になると見込んでいる。

マーサーのリスク移管コンサルティングのリーダーを務めるアンドリュー・ウォードは、「2017年に実施された年金バイアウトの総ディール額は、世界全体で約420億ドル弱に上り、過去最高を記録しました。」 としつつも、「しかし、2018年度はこれを更に大幅に上回るディールが見込まれており、総額で約700億ドルを超え、史上最大となる可能性もあると見ています。」とコメントしている。

マーサーの英国法人で年金バイアウトのアドバイザリー事業のリーダーを務めるデイビッド・エリスもこう重ねる。「英国では2014年度のディール総額が過去最大で、約130億ポンドを計上しましたが、バイアウト引き受け手の保険会社への聞き取りを通じて、2018年はこれを上回る約150億ポンド規模のディールが発生すると見込んでいます。」

一方、年金バイアウトの需要が高まるにつれ、企業も留意すべき点があると指摘する。
「引き受け手である保険会社の財務的体力も有限であり、増大する市場の需要に応えられるだけの短期的な資本増強が間に合わない可能性が高いと思われます。そのため、いざバイアウトしたい、と思っても、これまで同様の保険料で清算できない、あるいは予想以上に時間がかかる、といった事態が想定されます。」
「そのため、保険会社との交渉に関しても、売り手である会社の本気度を示し、かつ並行してデータの整備を行うなど、積極的なバイアウトに向けた動きを準備することがこれまで以上に重要になると思われます。」とエリスはコメントしている。

マーサージャパンの年金コンサルティング部門の代表を務める北野信太郎は、在米・在英子会社を持つ日系グローバル企業にとって、現地の年金バイアウトに当たり、いくつか追加で検討すべきポイントがあると指摘する。
「まず、在米・在英の地元企業と比べると、日系に限らず、本社機能を海外に持つ外資系企業は、意思決定により時間を要する、との認識からスタートすべきです。いざバイアウト、となった時に、そこから経営の議題に乗せていたのでは、明らかに売り時を逃す可能性が極めて高くなります。あらかじめ経営判断を行ったうえで、ある程度の幅を持たせた裁量を現地に与えることが肝要です。」

「次に、需要と供給の絶妙なバランスによって成り立っている局面では、継続的なモニタリングが何よりも 大切になります。現に、マーサーにモニタリングの一任契約をいただいているようなケースでは、日次で状況を把握して報告しています。そのような市場環境では、億単位のブレ幅での「売り時」は非常に短期間で消える、という認識は当然としても、逆に、売り時以外で執行しない、という勇気を持った決断も求められます。」

「また、UK固有の事象として、Brexitの影響が挙げられます。2020年までの経過措置問題や、北アイルランドでの国境問題など、来年3月の発効に向けた検討課題が山積している中で、在英法人を持つ日系企業の中には、UKの事業に関する様々なオプションを検討されているケースも有ろうかと思います。
その中で、DB制度を持つ企業にとっては、事業再編に当たっての年金バイアウトの検討は非常に大きな意味を持ちます。日本の感覚ですと理解しにくいところですが、出来れば、かなり初期段階で年金バイアウトの可能性については検討を進めておくべきと考えます。」

「最後に、売却先の保険会社に関する点が挙げられます。当然ながら相見積もりを取りますが、一番安い先に売却すればよいという訳では当然ありません。多くの日系企業では、現地法人の取締役員、あるいは現地の年金制度のトラスティに日本本社から人を出している、というケースがあるかと想像されます。
そのようなケースでは、例えば売却先の保険会社が経営破たんとなったようなケースでは、その選定基準が検証され、場合によっては受益者からの団体訴訟の対象となることも想定されます。英国法人では、そのあたりのブランドや信用力も含めた上での選定となると思いますが、日本の本社で意思決定をするのは前提となるそれなりの理解が無い中では、困難を極めることは想像に難くありません。しかるべきデューデリジェンスを行って、値段や財務的基盤なども総合的に踏まえたうえで売却先を決めることが大変重要になります。」

「マーサーグローバル年金バイアウト指標」レポート(2018年3月 - 英文)は以下のリンクよりダウンロード可能です。

 

 

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