マーサー『年金アセットアロケーション動向調査2020年版』を発表


  • マーサーが発表した「成長市場*」における投資家の動向に関する調査によると、この6年間で総資産に占める株式の割合は増加(32%から37%)、債券の割合は減少(57%から49%)
     
     * 南米、中東、アフリカ、アジアと定義する

  • 投資家の外国資産への関心は高まってきており、ほぼ全ての調査対象市場で国内株式の割合が減少し、外国株式の割合が増加したが、ホーム・カントリー・バイアスは存続。この6年間で株式に占める外国株式の割合は42.3%から49.0%へと増加

  • オルタナティブの割合は緩やかに増え、6年間で3.7%から4.5%へと増加しているが、多くの投資家がより高いリターンとさらなる分散を求めていることから、この傾向は続くと思われる

  • 成長市場の投資家は強固で堅牢なポートフォリオを実現しようとしており、持続可能性、ガバナンス、運用報酬に対する注目度の高まりといったトレンドが重要な検討事項となりつつある

  • マーサーは、主にコロナウイルスのパンデミックによる市場のボラティリティが高まる中、リスク許容度、流動性リスク、分散の見直しを含む戦略目標の実現に引き続き集中する必要があると強調

 

組織・人事、資産運用や福利厚生制度などに関するサービスを提供するグローバル・コンサルティング・ファームであるマーサーは、ラテンアメリカ、中東、アフリカ、アジアの5.2兆米ドル近い金額の年金資産の資産配分と投資動向に関するインサイトを示すレポートである『年金アセットアロケーション動向調査2020年版 – 成長市場 (Asset Allocation Insights 2020)』を発表した。

 

本レポートでは、2014年の調査開始以来の規制や市場環境の著しい変化と、昨年の調査で明らかとなった長期的トレンドが引き続き進行していることが示されている。総資産に占める株式の割合は増加傾向にあり(32%から37%)、債券の割合は減少している。ホーム・カントリー・バイアスは依然として大きいが、株式を中心に外国資産への配分が引き続き増加した。また、オルタナティブもポートフォリオの中で徐々に増えており、マーサーはこのトレンドが今後も継続すると予想している。最後に、本調査結果は持続可能性/ESG、ガバナンス、運用報酬に対する注目度の高まりなどの市場のトレンドを追及し続けていることを示しているが、こうしたトレンドへの対応や取り組みは市場によって大きく異なる。

 

マーサーの成長市場投資・リタイアメントリーダーであるFiona Dunsireは、本調査結果について以下のようにコメントした。

 

「ラテンアメリカ、中東、アフリカ、アジアの投資家は重大な課題に直面しています。こうした国々は、環境・人口動態・技術・地政学リスクといったグローバルマーケットの懸念事項に対応する一方、高いリターンの実現、コストの最少化、より良好なガバナンス体制の導入を強く迫られています。現在のコロナウイルスのパンデミックによってボラティリティが高まる中、こうした課題への対処はより一層重要となります。また、投資家の投資目標やリスク許容度と一致している資産配分プランの保持は極めて重要な基盤です。私たちは市場ストレス時に、長期投資家に対し資産配分の規律の維持を推奨していますが、こうした時期は潜在的なシナリオやポートフォリオのリスクを評価し、将来の機会に備える好機でもあります」

 

本レポートでは、新たにインドとトルコの2か国を加えた16の市場を評価しており、データが入手できない市場に対する事例的見解や解説を提示している。また、2020年版では、年金制度の種類別 ― 確定給付型(DB)または確定拠出型(DC)、年金制度のスポンサーとしての 政府(一部の強制的な年金制度を含む)または企業 ― にデータを分類し、投資家が投資のランドスケープを詳細に把握できるよう工夫した。

 

各地域の詳細

アジア

アジアにおけるマーサーの調査結果は国によって大きく異なる。インドでは、93%という最も高い債券比率が報告された。台湾では現金比率が20%であったのに対し、香港の株式比率は65%というアジアで最も高い数字となった。これは主に強制積立金制度におけるライフスタイル・ファンドや株式ファンドの選択によるものである。日本、韓国、マレーシア、台湾はその中間にあり、それぞれが37%~43%の株式比率であった。オルタナティブのエクスポージャーも高く、韓国(12%)や台湾(10%)が最大となっている。

 

日本は、全測定期間で株式比率が大幅に上昇(+13%)。これは主に、調査データ内の最大構成要素である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の配分の変更によるものである。また、投資家は更なる地理的分散化を求めており、特に日本、韓国、香港、台湾では、国内資産から外国資産への注目すべきシフトが見られた。

 

マーサージャパンのウェルスコンサルティング本部代表である五藤智也は、本調査結果について以下のようにコメントした。

 

「日本においてもESGとプライベートアセットへの関心が高まっていることは注目すべきトレンドであり、今後もこのトレンドは継続していくと予想しています。また、DCにおいて元本確保型の比率が極めて高い点は今後の大きな課題であり、企業が投資教育により力を入れるだけでなく、商品ラインナップにも工夫が必要であることを示しています」

 

本調査では、年金の持続可能性を強化し、最終的に個人に利益をもたらすための年金制度改革をアジア各国で検討する潜在的な機会をハイライトしている。

 

ラテンアメリカ

調査結果によれば、ラテンアメリカの年金の資産配分は、調査平均に比べ依然として比較的保守的であり、平均債券配分比率は65%であった。この地域内で最大の債券保有国はブラジル(73%)、メキシコ(70%)、アルゼンチン(65%)だが、これは国内の高金利に起因する。対照的に、ペルーとコロンビアが最も高い株式配分比率はとなっており、それぞれ48%と36%であった。ヘッジファンド、不動産、プライベート・エクイティといったオルタナティブについては、コロンビア、ペルー、ブラジルがこの地域での最も高い配分となっており、 順に9%、7%、5% を記録している。

 

また、主に規制上の制限により、特に株式ポートフォリオに占める外国資産の割合に大幅なばらつきが見られた。例えば、ブラジルとアルゼンチンは最小の外国資産の割合となっているのに対し、ペルー(株式全体に占める外国株式の割合は73%)、チリ(69%)、メキシコ(58%)はより高い配分を示している。コロンビアの株式に占める外国株式の割合は48%から54%に増え、最大の増加となった。

 

中東とアフリカ

中東とアフリカ地域内には多くの洗練された投資家が存在するが、こうした投資家の配分に関する公表データは限られる。しかし、今年度の調査では初めてトルコを含めたほか、南アフリカをカバーするうえでAlexander ForbesのGlobal Manager Watch™ Surveyやその他のデータを活用している。

 

トルコは主に経済や市場の変動に関する懸念から多額の現金を保有しており、結果的に債券と現金を合わせた配分が67%以上である。トルコ政府は雇用主と個人の長期貯蓄率を高めるための改革を検討している。

 

南アフリカは株式配分比率が最も高い国の一つである。運用会社が海外へ投資能力をさらに活用することが伺えるが、政府の規制変更の可能性があることが引き続き懸念であり、投資の自由度が高まるトレンドの反転が起こることも予想される。

 

 

調査について

第2回目の本調査はソース別の異なる報告日を反映しているが、アジア、中東、アフリカ、ラテンアメリカにおける「現在」の全ソースは2018年~2019年のものである。報告データには16の国が含まれる(日本、香港、インドネシア、韓国、マレーシア、台湾、タイ、アルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、メキシコ、ペルー、インド、南アフリカ、トルコ)。概して上記「現在」のソースの日付と6年前の日付で過去のデータ比較を行っているが、データの入手可能性に基づき異なる場合もある。

 

合計データは資産加重ベースで集計しているため、資産規模の大きい投資家は、小規模投資家よりもデータ結果に大きな影響を与える。本レポートに記載する情報は様々な第三者ソースから入手したものであり、情報の信頼性は高いと考えられるが、マーサーは独自の検証は行っていない。

 

 

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