マーサー「2022年 グローバル人材動向調査」を発表 

共感力の高い組織こそ、逼迫した労働市場で成功するための鍵を握っている

2022年7月27日

共感力の高い組織こそ、逼迫した労働市場で成功するための鍵を握っている

仕事そのものを再定義し必要な改革に導き、退職制度や投資成果を再構築し、真の健康とウェルビーイングへと導く世界的リーダーであり、マーシュ・マクレナン(NYSE: MMC)傘下のマーサーは、「2022年 グローバル人材動向調査: 成長する共感力の高い組織」を発表した。

調査結果から、経営幹部の5人に4人が、人材とビジネスにおける課題がかつてないほど複雑に絡み合っていると考え、企業はよりオープンで親しみやすい存在になる重要性を指摘している。ステークホルダーの声に真摯に耳を傾け、データを活用して一連のパターンを見い出し、行動に導き、重要な問題について声を上げることは、選択権を持つ従業員がどの組織で働きたいかを決めるのに役立つ。本調査では、約11,000人の経営幹部、人事リーダー、従業員の方々から得た知見をもとに、リスクが高まる環境下で共感力の高い組織を構築するためのトレンドを明らかしている。

本レポートの筆者であり、マーサーのアドバイザリー・ソリューション&インサイト グローバルリーダーのKate Braveryは以下のように 語る。

「組織は今、パンデミックの間に磨かれた共感という手段を用いて、経済とのバランスを取りながら、より共感力が高く、最終的にはより持続可能な新しいパートナーシップのあり方を切り開く、大きな機会を迎えています。人々の価値観の根本的な変化こそ、労働市場の構造的な変革を支えています。組織は今、顧客や従業員、投資家の価値観を反映しながら、同時に社会に貢献するべきであるとする圧力が高まっています。課題は、インフレ圧力に対処し、新たな危機に軸足を移し、仕事の未来についての異なる見解に取り組みながら、ここで前進することです」

マーサージャパン 取締役 執行役員 組織・人事変革部門 日本代表である白井 正人は、次のように述べている。

「今回のグローバル人材動向調査では、パンデミックの影響・結果のみならず、ESGやパーパスを重視した経営、という昨今のトレンドが人材マネジメントに求めている変化の兆しが示されています。もともと日本では人材の流動性が低く、他国と比較すると、市場価値を踏まえたフェアな報酬、キャリア自律、エンゲージメントを意識した従業員との関係作りが後手に回っています。これらが非常に重要であるという調査結果は、日本企業における人材マネジメント変革の必要性を裏付けています」

2022年における5つのトレンド: 共感力が高い組織の取り組み

  1. 関連性の見直し
    企業に求められるのは、顧客、従業員、投資家の価値観の変化に対応することである。優先順位をリセットし、適応性をもって、人々をよりシームレスに仕事につなげ、人材の経験を再認識する新たなワークオペレーションモデルが必要だ。企業の目的、労働基準、投資戦略を通じて、コア・バリューを実践している企業は、ステークホルダーとの関係性を強化し、ビジネス成果向上に向けてより有利な立場に立つことができる。課題は、組織全体の従業員が日々、価値主導の意思決定を行えるよう、十分な適応能力を備えた新しいワークオペレーションモデルを採用することである。
  2. パートナーとして働く
    人は会社のために働くのではなく、会社と働きたいと考えている。ほぼすべてのエグゼクティブ(96%)が、現在は従業員中心の労働市場であると言う。加えて、人事担当者の70%が、今年は通常よりも高い離職率を予測している。特に、若い労働者とデジタル分野の労働者が顕著である。パートナーシップを築くということは、従業員と雇用者の関係を見直すことを意味する。共感できる企業は、「リードする」よりも「パートナーになる」ことに価値を見出し、職場復帰戦略を持続可能な仕事の未来を見据えたワークモデルに進化させることによって、これを実現している。
  3. 統合型ウェルビーイングを実現する
    パンデミックは様々なグループの健康と富の格差を表面化させた上に悪化させ、医療へのアクセシビリティと医療費助成制度だけでは不十分であることを明確に示した。健康に関連するコストの削減から、人々が活動的になれるような投資に最適化する。それに焦点を移すことこそが、人の持続可能性の鍵である。
  4. エンプロイアビリティのための構築
    パンデミックは、企業のリスキル競争を加速させたが、多くの場合、その取り組みは組織の将来的な戦略から切り離されたものとなった。現在と将来における人材ニーズに対応するためにスキル課題を再設定することで、雇用可能な人材を確保・維持できる。スキルベースのモデルは、組織がより柔軟に人材を配置し、より広範で多様な人材プールの活用を可能にする。3社に1社の組織で優先事項として挙げられている。企業はこれまで以上に、生涯学習のマインドセットを浸透させ、多くの人のキャリアの幅を広げ、あらゆる経歴を持ち、異なる世代の労働者が成功への道を切り開いていけるよう支援している。
  5. 集合エネルギーの活用
    パンデミックによって、新しいテクノロジー、ビジネスモデル、働き方の導入が加速された。それらの出来事による疲弊に加え、圧縮された時間軸での変化から犠牲者が出たのも事実である。活力を感じていると回答した従業員の割合は、2019年の74%から今年は63%へと大幅に低下した。本調査の7年間の歴史の中で最も低い水準である。それと同時に、従業員は将来についてより楽観的になっている。“未来の仕事”について尋ねたところ、「家族、趣味、健康、学習のための時間が増え、よりバランスのとれたものになると思う」という回答がトップ(51%)がトップとなった。

2022年 グローバル人材動向調査について

マーサーのグローバル人材動向調査の第7版では、11,000名の経営幹部、人事リーダーと従業員からの洞察を共有し、全世界で16地域の13の業界における詳細を提供しています。全文レポートも併せてご確認ください。

マーサーについて

マーサー はより輝かしい未来は築くことができるものと信じています。私たちはクライアントと共に、仕事そのものを再定義し必要な改革に導き、退職制度や年金の投資成果を再構築します。そして、真の健康とウェルビーイングへと導くビジョンを掲げています。全世界約25,000名のスタッフが43ヵ国をベースに、130ヵ国でクライアント企業と共に多様な課題に取り組み、最適なソリューションを総合的に提供しています。マーシュ・マクレナン(NYSE:MMC)グループの一員として、日本においては40年以上の豊富な実績とグローバル・ネットワークを活かし、あらゆる業種の企業・公共団体に対するサービス支援を行っています。

マーシュ・マクレナンについて

マーシュ・マクレナン(ニューヨーク証券取引所コード: MMC)は、グローバルプロフェッショナルサービスを提供する企業グループとして、顧客企業にリスク、戦略、人材分野の助言とソリューションを提供しています。マーシュ(保険仲介とリスクマネジメント)、ガイ・カーペンター(再保険仲介・コンサルティング)、マーサー (組織・人事マネジメント・コンサルティング)、そしてオリバー・ワイマン(戦略コンサルティング)から構成されており、年間総収入約200億米ドル、全世界に83,000名の従業員を擁し、世界各地の顧客に分析・アドバイスを提供しています。