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企業年金の資産運用をアウトソースすることのメリット

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企業年金の資産運用をアウトソースすることのメリット
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確定給付型の企業年金の資産運用は運用機関に委託し行われているが、資産配分、委託する運用機関/運用商品の決定等の運用結果に大きな影響を与える判断は、企業年金が行っている。
この企業年金が担っている資産運用業務をアウトソースするOCIO*(アウトソースド・チーフ・インベストメント・オフィサー)は、近年、欧米を中心に広がりを見せており、企業年金の資産運用の選択肢の1つとなっている。そこで、OCIOの主なメリットを紹介する。

*企業年金等が担っている資産運用業務の一部またはほぼ全てをアウトソースすることを指し、デリゲーション、フィデューシャリー・マネジメント等とも呼ばれる
  • 専門家へのアウトソース
    資産配分、運用商品の選定、モニタリング等において、専門家のスキル、リソースを活用できることがメリットである。また、コーポレートガバナンス・コードで求められている「運用に当たる適切な資質を持つ人材の計画的な登用・配置」への対応策にもなる。
  • 重要なことに集中できる
    企業年金はリソースが限定されている中で、様々なことを行わなければならないが、OCIOを活用することにより、結果に大きな影響を与える重要かつアウトソースすることができない運用目的、許容リスクの検討等により集中し、時間を掛けることができる。
  • 迅速な意思決定とアクション
    企業年金では意思決定に時間が掛かってしまうケースも散見されるが、OCIOの場合には、迅速な意思決定により、必要に応じたタイムリーな運用商品の入替え、中期的な市場見通しに基づく資産配分の変更等を行うことが可能となる。
  • ベスト・イン・クラスのプロダクトへのアクセス
    オープン・プラットフォームにより世界中の様々な運用商品の中からベスト・イン・クラスのものに投資できるということもOCIOのメリットである。但し、OCIOのサービスを提供する会社がグローバルな体制によるクオリティの高い運用商品の評価を行っていることがその前提となる。
  • 分散
    資産規模の大きくない企業年金にとっては、多くのクライアントを持つOCIOのサービスを提供する会社のスケールメリットを活用し、OCIOを活用しない場合には実現が難しい資産、運用商品の分散が行えることがメリットである。また、資産規模が大きい場合にも、運用商品の分散を維持しつつ、モニタリング等の負担を軽減できるメリットがある。
  • コスト
    OCIOのサービスと組入れ運用商品の二段階のコストが発生することになるが、資産規模の大きくない企業年金にとっては、OCIOのスケールメリットを活かし、組み入れる運用商品のコストを引き下げることにより、コスト・パフォーマンスの改善を行うことができるケースもある。

以上のように、OCIOはメリットが多いことから、企業年金の資産運用の選択肢の一つとして検討する価値があると考える。

五藤 智也 (ごとう ともや)

執筆者: 五藤 智也 (ごとう ともや)
ウェルス・コンサルティング本部代表

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