英国のEU離脱決定の影響について(グローバルモビリティの観点から) | マーサージャパン

英国のEU離脱決定の影響について(グローバルモビリティの観点から)

2016年6月24日、英国においてEU からの離脱の是非を問う国民投票が行われ、英国のEU からの離脱が確実なものとなりました。これを受け、英国の離脱方針が明らかになりEU との離脱交渉が開始されるまでの間、世界中の企業は広がる経済不安の中、法的にも不安定な状況下に置かれることとなりました。
欧州理事会に対し、英国の正式な離脱意向を示す手続き(リスボン条約第50条の行使)はまだなされておらず、離脱交渉の進展は、少なくとも、与党保守党の新しいリーダーが今年9~10月に選出されてから後になるものと見込まれています。

この離脱決定の影響は広範囲に及びます。組織は、その展開地域、業種、人員構成に応じて、各方面からの大小の影響を、短期間に、また中長期にわたって受けることが予想されます。グローバルモビリティの観点からは、離脱交渉の条件が整い次第、人材マネジメント、入国管理、税金、社会保障、年金、福利厚生について検討をする必要があります。

生計費

通貨の下落はじめその他のいかなる市場要因も、恒常的に駐在員の購買活動に影響を及ぼすには時間を要することが見込まれるため、 マーサーは英国内各都市における次回の物価調査を、当初の予定通り今年9月に実施します。この物価調査の結果を反映したデータは、今年11月に発行する予定です。
※日本人世界生計費レポートについては 12月に発行の予定です

マーサーは引き続き状況を注意深く観察しており、必要に応じて 2017年1 月に臨時物価調査を実施いたします。

為替レート

短期的に、最も大きくこの国民投票の結果の影響を受けるものに、駐在員の給与や手当を支払う際に用いられる為替レートの変動があります。国民投票のあった金曜日、英ポンドは対米ドルで10% 以上下落しました。アナリストらは今後さらなる英ポンドの下落を予想しています。また、英ポンドほどではないにしろユーロも同じく値を下げました。

こうした状況への最適な対応方法は、以下に述べる要因に応じ、組織によってさまざまです:

  • 給与が任地に於いて全額本国通貨建てで支給されているのか、任地国通貨建てで支給されているのか、あるいは給与がスプリッ トペイ方式で支払われているのか。また通貨は英ポンドなのか、あるいはその他通貨なのか。
  • 給与計算や福利厚生パッケージの計算や支払いに際し、どういった為替レートが使用されているのか(例えば「スポットレート」なのか、給与計算や改訂時に定める「半年平均のレート」なのか、あるいは給与支払い時その時々のレートなのか。)
  • どのくらいの頻度で(年に1 回、半年に1 回、四半期に1 回)、計算に用いる為替レートや、任地生計費を見直しているのか。また次回の見直しの時期はいつなのか。
  • すでに為替レート見直しの基準があり、現在の状況に基準が適用できるのか、あるいはできそうなのか。
  • それぞれの組織における通貨変動への対応方法、およびそこから派生するコストインパクトの捉え方。

為替以外の要因に変動がないと仮定して、全額を英ポンドで支給される「本国 : 英国」の駐在員がマイナスの影響を受ける可能性が高い一方で、全額を本国通貨で支給される「任地 : 英国」の駐在員については、彼らの本国通貨の価値が英ポンドに対し上昇するため、 少なくとも短期間においては、状況が向上することにご留意ください。
"No Loss, No Gain" というバランスシートアプローチ(購買力補償方式)の基本コンセプトを維持するならば、臨時調整は「本国 : 英国」の駐在員と「任地 : 英国」の駐在員の両方に必要となります。

近日中にマーサーが発表する為替レートを用いて改訂や調整を行う場合、この数日間に発生した大きな為替変動が、すぐにはシステムに反映されていないことにご注意ください。
為替レートには、ICSデータは週間平均値を、世界生計費レポートは中間平均値を使用しております。こうした状況からマーサーでは、一連の為替変動が含まれる為替レートの発表を待って、必要に応じて臨時調整を行うことをお勧めします。なお、マーサーが使用する為替レートの代わりに、独自のスポットレートを用いて指数を出すことも可能です。マーサーのサポートが必要な場合には、担当コンサルタントにお問い合わせください。

コストへの影響

これまでに述べたいかなる対応をとるにしろ、経営上、全駐在員に対し下す決定がコストに及ぼす影響を無視することはできません。 まず駐在費用における通貨の影響を算定のうえ定量化し、早い段階で経営層や関係する事業部門長、そして経理部門と情報を共有することをお勧めします。 いずれ、その他の駐在員関連費用にも影響が及び、これらについても状況に応じて定量化や予算化の必要が出てくる可能性もあります。

コミュニケーション

貴社がどのような方法を選択される場合であっても、全駐在員に会社の方針への理解を促し、いつ次の情報を得ることができるのか知らせるために、積極的に全駐在員とのコミュニケーションを図ることが重要です。

最後に、マーサーは英国のみならず広く欧州全域、またその他の地域についても、今後の状況を注視して参ります。 マーサーのデータの一番良いご利用方法、通貨変動への対応方法など、ご不明の点についてはどうぞ担当のコンサルタントにお問い合わせください。

 

お問い合わせ

プロダクト・ソリューショズ
Tel: 03 5354 1483 (部門代表)