大きな変革のただ中にあって、未来の職場づくりが進められつつある今日、人事部門を統括するCHRO(CPO)の皆さまにとって、かつてないほど挑戦と機会に満ちた時代が訪れています。従業員のニーズとビジネスの戦略的目標を両立させ、中庸に至ることこそ、CHROの役割の中核をなすものです。
かつて人事戦略に不可欠な要素と考えられていたものは、もはや必要最低限の要件に過ぎなくなりました。CHRO(CPO)の役割と責任は大きく変化しています。
あなたが経験豊富なCHRO(CPO)であっても、新しく任命されたばかりだとしても、変化に適応し、組織をナビゲートしてく必要があります。
卓越したCHROは自らの強みを知っており、弱みの向上に努めるとともに補完的なスキルを持つスタッフを周りに配置しています。
組織の中でいかに共感性と経済合理性を体現するかについて検討すべきときです。マーサーは、世界の主要拠点であらゆる規模の企業のCHROと協働した経験から、卓越したCHROが、チームを率いるリーダーとして、また一人の人間として共通して備えている5つの特性を明らかにしました。
Listener(よい聴き手) 効果的に聴くことによって、イノベーションや組織的学習のきっかけをつくり、信頼と精神的安心感をもたらすことができます。また、前向きな変化に対する集団としてのコミットメントを生み出し、高めることができます。 |
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Cultivator(カルチャーを植え付け、育む存在) 包摂性とウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に健康であること)の諸側面において、責任ある態度を取り、そうした考え方を育み、推進することによって、人やコミュニティや会社に好ましい効果をもたらすことができます。包摂性の実現に取り組む推進者は、このきわめて重要な仕事をプログラムのチェックリストで済ませるようなことはしません。 |
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Storyteller(物語の語り手) 大量のデータは人事部門にとって避けては通れないものです。しかし、どんなデータセットも、前進のための策を考えるために活用しなければ、意味がありません。語り手は、情報から実行可能な示唆を抽出し、データを使って戦略的に計画を立て、組織内のあらゆる部署が納得する説得力のあるストーリーを組み立てます。 |
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Activator(人事機能を活性化する存在) 人事テクノロジーを活用すれば、人事部門の手間が省かれ、より多くの時間を創造的な問題解決に費やせるようになります。アクティベーターはこれを利用して、他の人たちの職務遂行を手助けします。アクティベーターは、業務遂行における規律、オペレーショナルエクセレンス(業務遂行力の優位性)、金融やデジタルに関する洞察力をもたらします。 |
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Transformer(変革者) きわめて重要な課題が2つ待ち受けています。1つめは、途切れることなく適切な人材が仕事に携わることができるように仕事を再設計すること。2つめは、従業員が求める条件に適った経験価値を実現すること。 変革者はこれらの課題を通して、会社が戦略的目標を達成できるようにします。 |