海外赴任中の住宅ローン控除について | マーサージャパン

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海外赴任中の住宅ローン控除について
Calendar2015/11/18

筆者の地元は埼玉県の朝霞市。特に名産があるわけでもなく、強いてあげるといえば、陸上自衛隊の朝霞駐屯地ぐらいだろうか。東武東上線では朝霞台、武蔵野線では北朝霞駅と一応二つの路線が使えるにもかかわらず、東上線の隣の志木駅とその発展に格差が存在していた。

今でこそ駅前には飲食店や娯楽施設がそこそこ立ち並び様変わりしたが、小学生の時は、駐輪場以外は畑に囲まれていて、お店といえばファストフード店と立ち食いそばぐらいしかなかった。高校生の時には通学に使っていた武蔵野線が新秋津駅で水没したり、不良学生が車両を占領したり、住民の屋根が線路に飛んで不通になったり、と地方ならではのあるあるエピソードが数多く、今ではとても懐かしい。

先日TVを見ていると、ふるさと納税の各地の謝礼品が紹介されており、そう言えばそんな制度もあったなぁと思い、朝霞市の納税謝礼品カタログを調べてみた。 羊羹、レトルトカレー、醤油、さつまいも、手打ちそば・うどん、といった地域に限定されないような食品から鳴子、浜崎焼、音楽CD、絵具といった地元でも聞いたことのない商品が用意されているのだが、残念なことに他の人気ある商品と比べてしまうとあまりにも魅力がない。地元には大切な想いがあるが、だからといって地元に納税するかというとそれとこれは別である。

さて、読者の方々も既にご存知だと思うが、ふるさと納税の仕組みはこうである。一定の金額を好きな自治体に寄付するとその金額に応じて、その土地ならではの名産やサービスを受け取ることができ、かつ寄付金の一部を還付、また税金から控除することができる。自己負担の金額が発生するものの、見返りとして魅力的な商品やサービスを受け取ることができるのだが、収入や家族構成に応じて還付や控除額は変わるので、寄付前には注意してほしい。誰しも損はしたくないと思うが、筆者の妻もその気持ちが人一倍強く、控除と名のつくものに関してはとても敏感に反応するので、その都度調べるのは専ら筆者の担当である。

さて、前置きが長くなってしまったが、筆者の業務に関連する海外派遣者処遇に関連するところでも控除についてのお問合せをいただくことがある。その中の一つに「海外赴任中の住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」がある。

1年以上海外に赴任する海外派遣者は、国内では非居住者となるため、原則、赴任中に上記控除を受けることはできない。そのため、住宅ローン控除の適用を受けている従業員にとっては、そのまま説明なしには納得がいかないことが多いのではないだろうか。会社によっては、会社負担で補償をすることもあるが、昨年実施した弊社の調査によれば、まだ少数派だといえる。尚、一般に任意控除と呼ばれている生命保険料・地震保険料控除、医療費控除、雑損控除なども同様に、大半の海外派遣者には適用除外されているが、補償されるべきものかどうかについては各社の判断となろう。

筆者も住宅ローン控除の適用を受けているので、この適用が除外されるとなると簡単には応じられない気持ちもわかる。しかし、ここで重要なことは、求められる要求に対して必ずしも応じることではなく、駐在員が「会社都合によって海外赴任させられ、それによってデメリットが発生した!」と思われない(思わせない)ように貴社制度のアドバンテージをしっかりとアピールしつつ、気持よく業務を遂行してもらえるようにコミュニケーションをとることであると筆者は思う。

自社のアドバンテージがどこにあるのかを把握するためには、周囲の情報をしっかりと掴んでおくことが重要であり、同業や異業種、また取引先の企業やネット・雑誌等、情報のリソースはできるだけ多く持つことである。弊社でも各社の各種手当や福利厚生制度の情報を取り纏めたサーベイレポートがあるので、一つのリソースとしてご利用いただければ幸いである。



徳田 俊樹

執筆者: 徳田 俊樹 (とくだ としき)
プロダクト・ソリューションズ コンサルタント

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