2017年の投資テーマと投資機会 - コンサルタントコラム 761 | マーサージャパン

2017年の投資テーマと投資機会

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2017年の投資テーマと投資機会
Calendar2017/06/09

毎朝のようにサプライズ・ニュースが飛び込んでくる。スポーツや芸能の話題であれば清々しい朝を迎えられるのだが、政治、社会、経済に絡むトピックが続き、マーケットも敏感に反応している。こうなると24時間マーケットを見て迅速に対応したくなってしまうが、それが万能でないことは昨年のBrexit、米国大統領選挙直後の動きで身に染みている。

こういった難解な事象が悩みの種となっている中、マーサーでは、2017年の投資テーマと投資機会について、ビューをまとめている。簡単に紹介したい。
テーマは4つ。(1)政治面・経済面での分裂、(2)金融政策から財政政策への移行、(3)潤沢な投資資金、(4)構造変化への理解、である。

先ず、「政治面・経済面での分裂」については、前述の選挙のように、何かを予想すること、特に政治を見通すのは難しいということである。2017年にオランダとフランス、ドイツで行われる総選挙には、先入観を抱かないようにするのが賢明だろう。欧州でポピュリストが勝利を収めるようであれば、EU及びユーロ圏の存否に関わる危機をもたらしかねない。したがって、市場下落シナリオに対するストレステストが必要となる。一方、ストレスが掛かり、かつボラティリティのある市場では、柔軟かつ動的な戦略にとっての投資機会が生じる可能性もあろう。

「金融政策から財政政策への移行」については、各国が推し進めてきた金融刺激策は2016年がピークだったと言えるかもしれない。その一方で、財政刺激策を求める声が強まっており、財政政策への移行のスピードと規模によっては今後数年間、潜在的なリフレ圧力が強まりかねない。インフレ上昇がどの程度重大なリスクとなるかを考慮する必要があるが、インフレヘッジのための戦略やリアルアセット戦略が有効となる可能性が出てこよう。

「潤沢な投資資金」という点では、世界各国の中央銀行が金融刺激策を継続している(今年で9年目に入る)ことで、婉曲的な表現かもしれないが、投資家にとって「困難な環境」が生まれている。多くの先進国で実質利回りがマイナスに沈む一方、ほとんどの資産クラスで相場が急騰しているため、高いリターンをあげるのは容易ではない。したがって、投資家はこの先、リターン源泉の分散を進め、様々な形態でのアルファ追求や非流動性、複雑性に由来するリターンを追求するといった、これまであまりなじみのない資産クラスやより柔軟な戦略を検討する必要に迫られよう。

最後に、「構造変化への理解」については、当面の政治動向や経済動向に加えて、人口動態上の傾向や気候変動、技術革新といった長期間にわたる構造的な力も、それほどはっきりとではないにせよ、投資家に広範な影響を与える可能性がある。これらの構造的な力が市場全体にもたらし得る効果を見出すことは、投資家が長期的なリスクとリターンをコントロールする上で有用だろう。

以上、マーサーが考える足元の投資環境における問題と投資機会に関する見方について述べたが、個々の投資家にとって適切な対応は、その投資家の個々の考え方、目標や制約を考慮しなければならない。マーサーは2017年に訪れる新たなリスクと投資機会を見据え、投資家の方々の力になれればと思っている。


的山 紀道

執筆者: 的山 紀道 (まとやま のりみち)
資産運用コンサルティング プリンシパル

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