書籍 『クロスボーダーM&Aの組織・人事マネジメント』 | マーサージャパン

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クロスボーダーM&Aの組織・人事マネジメント

書籍概要

日本企業にとってより難度の高いクロスボーダーM&Aの組織・人事課題とは、買収後の対象会社の経営体制の確立、さらにその経営層に対するコントロール(ガバナンス)の確立である。クロスボーダーM&Aを行った日本企業に対するヒアリングの調査結果を掘り下げていくと、特に対象会社経営層に対するガバナンスが利いているようで実際には利いておらず、苦慮している実態に行き当たる。

クロスボーダーM&Aの経験値が飛躍的に積みあがった昨今においてですら、買収側(株主)である日本企業が、現地で機能する優れた経営者やグローバル経営に長けた経営者を準備できるケースは限定的である。このため、信頼できる経営者を選任して経営を委ね、その経営者に対して有効なガバナンスをかける、「マネジメントとガバナンスを峻別するモデル」が日本企業にとって合理的であり、かつ一定期間により多くのM&Aをこなすための現実的な道である。そしてその巧拙が、海外に成長の活路を求める各企業、ひいてはわが国産業界の行く末を左右する。

経営者に対する有効なガバナンスを確立するためには、まずは現経営者を見定め、大きな問題のない場合に一定期間これをきちんとリテインしつつ、並行して経営者に対する人事三権(任免権、評価権、報酬決定権)を確保することが不可欠である。ただし、リテンションとガバナンスを両立させるという、心情的に一見相反するタスクを、外国人経営者を相手に、それも平時ではなくディール固有の事情・制約下においてやり遂げるところに、日本企業のチャレンジがある。

著者: 竹田 年朗
出版社: 中央経済社
出版年: 2013/4/17
価格: 3,000円+税

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書籍目次

  • 序章: 日本企業とクロスボーダーM&A
    • 組織・人事の観点から見た案件の難度 / 買収先の経営者に対するガバナンスの確立 / クロスボーダーM&Aの俯瞰と先読み
  • 第1章: 想定リスクに見合った効率的なデューデリジェンスの実施
    • 交渉ごととしてのデューデリジェンス / 組織・人事デューデリジェンスのパターン / デューデリジェンスに先立つ統合フィット診断
  • 第2章: 難度の高いディールにおける円滑なクロージングの実現
    • 事業の選択と集中がもたらすスタンド・アロン・イシュー / スタンド・アロン・イシュー対処のプロセス / 効果的な社員コミュニケーション
  • 第3章: 経営者の効果的リテンション
    • クロスボーダーM&Aにおける経営者リテンションの重要性 / 金銭的リテンション策の内容 / 現経営者のバイ・イン/リテインした買収先CEOの交代 / 買収時点でのCEOの交代
  • 第4章: 経営者に対する有効なガバナンスの確立
    • ガバナンス・マネジメントの新体制と100日プラン検討体制の確立 / リーダーシップの融合 / 経営者に対する人事三権の確立 / 経営チームのトランジション / 経営チームと経営者に対するアセスメント / PMIにおける組織診断と社員の意識改革・行動改革
  • 第5章: 経営者報酬に対するガバナンス
    • クロスボーダーM&Aが加速する経営者報酬ガバナンスの必要性 / 経営者報酬ガイドラインと報酬委員会の運営
  • 第6章: 組織統合
    • 統合モデルとPMIの成功イメージ / 組織統合のプロセスと統合に対するガバナンス / 組織統合の阻害要因の克服
  • 終章: M&Aリテラシー

第7回M&Aフォーラム賞奨励賞

第7回M&Aフォーラム賞奨励賞『RECOF奨励賞』受賞選考結果におけるコメント


  • 選考委員会
    「外国企業の買収に当たっての留意点を、まず案件の難易度を切り口に俯瞰し、次いで、デュー・ディリジェンス、難度の高いディールのクロージング、経営者のリテンション、ガバナンスの確立、経営者報酬、組織統合 (PMI) の順で、実践知が体系的に語られる。
    おそらく、日本企業の外国企業買収は増加し、その際には多くの問題や失敗が生じるだろう。本書は、M&Aについての知見が必ずしも十分ではない日本の経営者を念頭に置いて、コンパクトな分量で外国企業買収の要諦を示すものであり、差し当たり各章の冒頭の要旨を読み、また特徴のあるコラムに目を通せば、土地勘のようなものをつかめるように工夫して書かれている。学問的な要素(各種文献への言及等)は意識的にそぎ落とされ、脚注は用語の解説と他章の参照にとどめられているが、巻末に厳選された参考文献が記されている。
    審査の前提である(1)作品が独創性に富んでいること、(2)実用性・実務への応用可能性が高いこと、(3)問題点を先取りし(問題提起)、その解決の糸口を論じたもの、について非常に高い評価点を与えることができるのではないかと考えている。わずか1 頁ではあるが、基本用語について索引が付いていることも本書の価値を高めている。
    例えば、コラムとして取り上げている「海外企業の経営者の報酬はなぜ高いのか?」には、海外企業の経営者市場と日本企業の経営者市場の違い、両者がほぼ分断されていること等の具体的・説得的な解説があり、きわめて示唆的といえる。」
  • 公益社団法人日本経済研究センター代表理事・理事長 岩田 一政様
    「竹田年朗著『クロスボーダーM&Aの組織・人事マネジメント』は、M&A実務の分野における力作でした。読みやすくしかもM&A後の経営統合(PMI)プロセスにおける実務上の問題をきめ細かく、かつ体系的に叙述しています。これまでのM&A実務上の関心は、主として企業買収に当たってどのようなことを注意すべきかという点にありましたが、本著作は、買収後の組織をどのようにマネジメントしていったらよいかという、日本企業が現在直面している問題を取り上げています。組織・人事マネジメントに苦闘している企業の経営者の指針となる書といえます。」

著者略歴

竹田 年朗
マーサージャパン株式会社
グローバルM&Aコンサルティング
パートナー
竹田 年朗 (たけだ としろう)

株式会社大林組、外資系コンサルティング会社(戦略系、組織人事系)を経て現職。

日本企業の海外企業買収に対して、デューデリジェンスからPMIまで、幅広い支援を提供している。特に最近は、買収後のガバナンス・マネジメント体制の構築、および経営統合・組織統合をテーマとしている。2009年12月から、M&A専門誌「MARR」にて毎月論文連載中。誌上対談も多数実施。

著書に、「買収効果が出る クロスボーダーM&Aの組織・人事手法~コントロールと統合の進め方」 (中央経済社、2016年)、「クロスボーダーM&Aの組織・人事マネジメント」 (中央経済社、第7回M&Aフォーラム賞受賞) などがある。

経済産業省「海外事業者の視点に基づく日本企業との投資提携の定着に関する調査」研究会委員を務める。

石川県金沢市出身。金沢大学教育学部付属高等学校および東京大学法学部を卒業し、コーネル大学ジョンソンスクール経営学修士終了(MBA)。

 

 

 

 

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