M&A関連書籍
買収効果が出る クロスボーダーM&Aの組織・人事手法~コントロールと統合の進め方
書籍概要
- 「コントロールも利かず」
- 「統合も進まず」
- 「これといった事業の成長もない」
- そんなM&Aとならないために
必要な統合を適切に終えていないというのは、100メートル競走に自社だけが二人三脚や三人四脚で出場するようなもので、これではすでに統合を終えたグローバルの競合とは、まともに勝負できない。さらに、買収後は速やかに買収先を掌握し、買い手の思う統合の絵姿とプロセスをつまびらかにするのでなければ、成功する統合のプランニングは到底おぼつかない。
本書はこのような認識のもと、買収効果を出すために、組織・人事の重要課題と、その取り組みの手法について論じている。
- 楠田祐の人事アウトサイド・イン「vol.25 奥田英二の書籍推薦コーナー」掲載(2016年12月22日)
- M&Aonline「編集部おすすめの1冊」掲載(2016年11月26日)
- 中央経済社『旬刊経理情報』 (2016年8月1日号) 掲載書評
- 日刊工業新聞に書評掲載 (2016年5月26日)*本記事は著作権者である株式会社日刊工業新聞社の転載承認のもとに掲載しています。
書籍目次
中央経済社『旬刊経理情報』 (2016年8月1日号) 掲載書評
- 株式会社CORESCO 代表取締役社長 古森 剛 氏
「見た目以上に重さのあるこの書籍を手に取り、その質感とともに、内容に込められたものを感じてしばし目を閉じた。私はマーサージャパンの代表を 7 年ほど務めさせていただいたが、入社時は筆者(竹田氏)と同じグローバルM&Aコンサルティング部門だった。そこで経験したものは、今でもプロとしての貴重な礎となっている。
本書の書評を書く機会をいただいたが、身内贔屓を一切排して、1 個のプロフェッショナルとしてここに断言させていただく。M&Aのプロは数あれど、組織人事という角度からこのような内容の濃い書籍を書ける人は、世界広しといえども、そうそういるものではない。幾多の経験を通じ、さまざまな厳しい与件のなかで歯を食いしばってこの分野の仕事に取り組み、かつ、そこからの学びを文字にして社会に還元するという面倒に耐える心意気を持ち合わせていなければ、このような内容が書籍になることはない。敬服の念を持って本書を拝読した。
本書のなかには、筆者の根本的なスタンスがよく表されている部分が随所にあるが、特段「ああ、なるほど」と目にとまったのは、212 頁のHR (人的資源)に関するくだりである。「筆者がHRではなくてわざわざ『組織・人事』と言っているのは、HRでは想起されにくいExecutiveの問題、そしてExecutiveの任免と一体のM&A後の組織設計、特に組織の上部構造の問題を短い言葉で示唆するのが狙いである。もう 1 つこれに加えて、従業員の意識改革・行動改革、買い手の企業価値観("Way")の浸透、求められる組織能力の再定義とレベルアップ施策、人事制度統合といった組織に関する PMI のソフトな課題も、『組織』という言葉でカバーしようとしている。」と筆者は述べている。
このように M&Aの場面では、多様な課題が一気に発露し、通常「HR」として対応している分野を大きく超えたものと向きあわねばならない。また、その際に明確な答えがみえることは稀であり、その都度臨戦態勢で情報入手と頭と体とマインドをフル回転させながら課題解決や価値創出に取り組んでいく必要がある。特に、「経営者」という生身の人間が対象になる課題と、「経営」という集合的なしくみや行為全体を対象にする課題とが混在しているなかで、適切な道を適切なタイムリミットのなかで検討・決定していくところにプロフェッショナルとしての苦しみと付加価値がある。
本書は、そうした緊迫感のある文脈を前提におきながら、淡々と「経営者」のことも「経営」のことも経験と洞察を頼りに紐解いていく。また、明確な答えがない世界だからこそ、あえて「こういう考え方がある」という形で、独自の選択肢の広がりを示す。決して単一の答えを求めず、しかし答えを考える道筋はある、と断言しているところに、本書の小気味よさと凄みがあるといえよう。ぜひ、ご一読賜りたい。 」
著者略歴
マーサージャパン株式会社
グローバルM&Aコンサルティング
パートナー
竹田 年朗 (たけだ としろう)
株式会社大林組、外資系コンサルティング会社(戦略系、組織人事系)を経て現職。
日本企業の海外企業買収に対して、デューデリジェンスからPMIまで、幅広い支援を提供している。特に最近は、買収後のガバナンス・マネジメント体制の構築、および経営統合・組織統合をテーマとしている。2009年12月から、M&A専門誌「MARR」にて毎月論文連載中。誌上対談も多数実施。
著書に、「買収効果が出る クロスボーダーM&Aの組織・人事手法~コントロールと統合の進め方」 (中央経済社、2016年)、「クロスボーダーM&Aの組織・人事マネジメント」 (中央経済社、2013年、第7回M&Aフォーラム賞受賞) などがある。
経済産業省「海外事業者の視点に基づく日本企業との投資提携の定着に関する調査」研究会委員を務める。
石川県金沢市出身。金沢大学教育学部付属高等学校および東京大学法学部を卒業し、コーネル大学ジョンソンスクール経営学修士終了(MBA)。
グローバルM&Aコンサルティング
パートナー
竹田 年朗 (たけだ としろう)
株式会社大林組、外資系コンサルティング会社(戦略系、組織人事系)を経て現職。
日本企業の海外企業買収に対して、デューデリジェンスからPMIまで、幅広い支援を提供している。特に最近は、買収後のガバナンス・マネジメント体制の構築、および経営統合・組織統合をテーマとしている。2009年12月から、M&A専門誌「MARR」にて毎月論文連載中。誌上対談も多数実施。
著書に、「買収効果が出る クロスボーダーM&Aの組織・人事手法~コントロールと統合の進め方」 (中央経済社、2016年)、「クロスボーダーM&Aの組織・人事マネジメント」 (中央経済社、2013年、第7回M&Aフォーラム賞受賞) などがある。
経済産業省「海外事業者の視点に基づく日本企業との投資提携の定着に関する調査」研究会委員を務める。
石川県金沢市出身。金沢大学教育学部付属高等学校および東京大学法学部を卒業し、コーネル大学ジョンソンスクール経営学修士終了(MBA)。
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