C-Suite Talk Live第24回 富士ゼロックス株式会社 常務執行役員 人事本部長 日比谷 武さん | マーサージャパン

C-Suite Talk Live第24回 富士ゼロックス株式会社 常務執行役員 人事本部長 日比谷 武さん

ライブラリ / 「経営×人・組織」視点の対談 C-Suite Talk Live / 第24回(2/4)

第24回 富士ゼロックス株式会社 常務執行役員 CSR、総務、法務担当 人事本部長 日比谷 武さん
Calendar2010/07/12

優れたリーダーの成立要件とは

古森そうした将来へ向けた営みの中で、次代を担う人材の育成はどのように考えておられますか。

日比谷 まさに、その点に力を入れています。私自身、知見を広げるために、他社の人事担当役員の方々と交流させて頂いたり、そういった場に政治家をお招きして国家視点で意見交換したりして、人材育成の勘所を考えているところです。

古森 直近のお考えとしては、何がその勘所になりそうですか。

日比谷 そうですね。色々な階層での人材育成を考えていく必要がありますが、例えば経営トップの輩出という視点では、大きく3つの成立要件がありそうです。

古森 3つの成立要件。

日比谷 ええ。ざっと申しますと、(1)「トップの資質・人間力」、(2)「何をするのかという志(具体的な政策を含めて)」、そして(3)「トップを支える層の存在」の3つです。特にこの3つ目の要素は、極めて重要だと思っています。「リアル・チェンジ・リーダー」とでもいうべき存在ですね。

古森 なるほど。最初の二つは経営トップ個人の内にあるもの。これは、わりとイメージしやすいですね。3つ目の「リアル・チェンジ・リーダー」という部分は、示唆に富んでいますね。経営トップ個人だけではなく、「経営トップという機能」全体の要件を見た形ですね。

日比谷 そうです。これは小林(元会長)からの学びや先ほどお話した社外の交流会の場で出てきた視点なのですが、弊社の過去の経営トップを振り返っても、符合するものがあると思っています。構想が優れていても、それを支えるチームがなかったために苦労をしたケースもあります。逆に、とんがった印象はないけれども、人間的な魅力があって、結局トップを取り巻く人がキラキラしていた時代もありました。

古森 トップの経営スタイルは会社ごと、時代ごと、局面ごとに最適値は変わると思います。が、その3つ目の要素、トップのまわりで支えていく層の厚さというのは、普遍的に重要なものの一つでしょうね。少なくとも大企業の場合は。

日比谷 リーダーが大事。されど、リーダーだけではリーダーの仕事は出来ないわけです。「リアル・チェンジ・リーダー」の層をどうやって作っていくか。これは次の半世紀の計画をたてる上で、人事として重要なテーマの一つだと認識しています。

次世代リーダー育成の取り組み

古森 そういう課題意識もある中で、次世代リーダーの育成に関しては、どのような取り組みが進んでいるのでしょうか。

日比谷 色々な階層で取り組みを充実させていきますが、次の経営幹部になっていく人々、年齢で言えば40歳代中盤からその少し下の方々ですが、このセグメントの育成には特に力を入れています。社長も要所で参加する形で、ざっくばらんに議論する、しかし真剣に対話するような場を設けて運営しています。

古森 ざっくばらんな議論の場、というのがいいですね。いわゆる座学によるインプットだけではなくて、闊達な議論。そこに現役経営トップも機を見て入るという形ですか。社長はどのような感じで参加されるのでしょうか。

日比谷 社長からは、辛口の指摘も出てきますよ。この階層の人々は、今自分が担当している職務から物事を見てしまうのは、ある程度仕方ない面があります。そこで、全体最適とか、視野の広さ、視点の高さ、長期視点、そういったものを持てというのが社長のメッセージですね。

古森 お話を伺っていますと、形式的な面でのプログラム整備よりも、学びの実態を重視する姿勢なのだな・・・と感じます。有機的でいいですね。こうした取り組みは、いずれ海外の人材にも広げて行かれるのでしょうか。

日比谷 それも検討範囲に入っています。昔は9割以上の売り上げが日本市場でしたが、今後は海外市場の比重がどんどん大きくなっていきます。全体の社員規模が現状4万人で、うち1万5千人くらいがアジア・オセアニアを中心にした海外の人材です。シンガポールや中国の主要拠点には既に人事から人を派遣していて、人材育成面でも連携を進めているところです。

古森 時代の変化とともに、人事の仕事の範疇もどんどん変わっていかねばなりませんね。グローバル人材マネジメントは、グローバル人事機能の育成と両輪だと常々思っております。