C-Suite Talk Live 第35回 農林水産省 大臣官房 政策課 企画官 木村 俊昭さん

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第35回 農林水産省 大臣官房 政策課 企画官 木村 俊昭さん
Calendar2010/11/08
C-Suite Talk Live 第35回 ~対談エッセンス~
  • 地域活性化への情熱~私の原点
  • 地域活性化「5つのポイント」
  • 動きと広がり~「エコノミック・ガーデニング」
  • 「地域経営」という感覚
  • 地域としての戦略的人財育成を

地域活性化への情熱~私の原点

古森 こんにちは。東奔西走されている中、貴重なお時間を頂き有難うございます。この対談シリーズ、各界でご活躍の方々にお話を伺って、何かヒントになるもの、前向きなものを伝えたいということで続けております。どうぞ宜しくお願い致します。

木村 こちらこそ宜しくお願いします。

古森 色々なメディアで木村さんのご活躍を目にしますが、本当に飛び回っていらっしゃいますね。睡眠4時間を切る日も多いとか。

木村そうですね。北海道から九州は沖縄まで色々なところへ足を運んでいますし、週末もほとんど講演や意見交換などで埋まっている状況です。

古森 地域活性化というのは、グローバル化と並んで、これからの日本国における最大の戦略テーマの一つだと思います。まず始めに、木村さんが地域活性化にコミットしてこられた原点は何だったのかということを、お聞かせ願えますか。色々なメディアで語られている面もあるかと思いますが、あらためて・・・。

木村 そうですね。もとをたどれば北海道東部の町、遠軽町で過ごした少年時代から「町を元気にしたい」という思いはありました。小樽市に入庁してからも、地域活性化への思いはさらに強くなりまして、積極的に動いているうちにその分野を担当する機会が巡ってきました。その仕事を担当してみて思ったことは、一言でいえば「部分最適を全体最適にしなければ」ということです。それが、今につながる視点になっています。

古森 部分最適を全体最適に。企業経営でもよく耳にするフレーズです。

木村 例えば、「商店街をどうしますか」とか、「温泉地区をどうしますか」、あるいは「工業団地の企業数を増やすにはどうしますか」といった課題があるとします。多くの場合これらの課題というのは、その地域に関してそれぞれ担当者がいるものです。行政にも商工会議所にも当該分野の担当者がいるわけです。しかし、地域全体という視点で見ると、それらの担当者間をつなぐ機能が不足がちといえます。

古森課題への認識はあっても、取り組みとして全体の力が出にくい状況になっているわけですね。

木村 そういうことです。部分ごとに最もいい状態の中で汗を流している人々がいても、なかなか広がりと全体の活性化につながりません。地域内で課題解決の核となるキーパーソン同士をつないでいく必要があるわけです。小樽市役所で地域活性化に取り組んでいた時も、この点を何とかしなければと考えていました。

古森 想像するに、単につなげば良いという話でもないのでしょうね。

木村 はい。例えば、「商店街の空き店舗をどうしますか」という課題があるとします。そうすると、一般的には「そこをどうやって埋めようか」という話になるわけですね。ですが、そのテーマで人をつないでいったとしても、課題解決にはつながらない場合も多いのです。「その商店街の店舗が空いたのはそもそもなぜなのか」を問う必要があります。

古森 対症療法に動くのではなく、起きている現象の根本課題をさぐるわけですね。

木村 そうです。例えば「地域の人口が減って、皆さんの所得も下がっている」ということが根本の背景にあったとしたら、どうなるのか。行政等が家賃補助をするなどして「空き店舗をとにかく埋める」という手を打ったとしても、課題の本質の解決にはなりません。「なぜ商店街が必要なのですか」「なぜ商店街で大手小売店より少し高くても買う意義があるのですか」など、根本をじっくり考えていく必要があります。

古森 そういう本質的な部分での課題解決のベクトルあわせをした上で、地域の人々をつないでいくわけですね。

木村そうです。小樽時代から今に至るまで、結局は地域活性化における根本課題に目を向けながら、その解決に資する形でいかに地域や人々をつなぐかを考えてきました。そうしない限り、本当の意味での活性化にはつながらないからです。

木村俊昭さん プロフィール
木村さんは、北海道で生まれ育ち、昭和59年に小樽市役所に入庁されました。
財政部、議会事務局、企画部、総務部を経て、経済部に配属。産業振興課長、企画制作室主幹を務められ、小樽市のまちおこしを成功に導かれました。
その実績を認められ、活動の舞台は国へ。平成18年に内閣官房・内閣府企画官、平成21年から農林水産省大臣官房企画官。国の「地域活性化伝道師」として、様々な取り組みを牽引しておられます。
地域活性学会で理事、北陸先端科学技術大学院大学や東京農業大学などで非常勤講師を務められるなど、学問・教育の場と地域活性化の橋渡しにも情熱を注いでおられます。