C-Suite Talk Live第38回 ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 人事・総務担当 落合 亨さん

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第38回 ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 人事・総務担当 バイス プレジデント 落合 亨さん
Calendar2011/01/11

グローバルに通用するとはどういうことか

古森 グローバリゼーションという角度からも、ちょっと考えてみたいと思います。多くの日本企業で、グローバル組織の運営がなかなか前に進んでいません。先ほどのスティッチの逆輸出の話など、一つのヒントになるのではないでしょうか。

落合 そうですね、グローバルで活躍するといっても、実際は企業ごとに色々な事業面の差がありますね。一概には論じられないだろうと思っています。私の立場から言えるのは、「日本のものを持っていくだけでは、勝負にならない」ということです。

古森 なるほど。

落合例えば、アニメーションの世界では、グローバルに普遍的に受け入れられるようなコンテンツがあると一般的に言われています。しかし、過大評価しては危険だと思います。日本で大ヒットした興行が欧州・米国でもうまくいくかといえば、そうでもないという現実があります。

古森 日本で作ったものが、必ずしも海外のテイストにはあうとは言えない。そうでしょうね・・・。

落合米国のテレビドラマシリーズ”ヒーローズ”でブレイクしたマシ・オカ(Masi Oka)という俳優さんがいますよね。岡 政偉(おか まさより)さんですが、彼とは時々食事をする間柄です。彼は本当にいろんなことを考えていて、最初は端役だったのが、「Yatta!」という台詞で評判になりました。当初、脚本では英語だったところを、「ここは日本語でやった方がウケる」と監督に提案して、実際にヒットしました。

古森そこに、感性が光っていますね。

落合彼は、もともと「プロデューサーになって、将来的に何かやりたい」と言っている人です。「どうやったらウケるか」をよく分かっていますね。創造性という点で、ある種の天賦の才がある人だと思います。彼は、自らを日本人と公言していますし、日本のことを実際よく分かっています。同時に、ずっと西海岸で暮らしているので、向こうで「ウケる、ウケない」の感覚もあります。

古森この話のポイントは、日本の感覚だけで打ち出して行ってもダメで、海外市場の感覚値を持って物事を創造すべし、ということですね。

落合 「ウケる」かどうかというのは、相手を知らないと感じ得ないことです。その感覚値がないと、「当たり外れ」の問題になってしまいます。ハリウッドのすごさというのは、最初からグローバルの市場を考えて企画していることですね。そこが、今の日本のモデルとは大きく違うところだと思います。

古森 日本人のクリエイターやプロデューサー人材で、海外に行って活躍するというケースは出てきていますか。

落合 その部分は、まだこれからだと思います。素質として海外に通用する人材はかなりいますが、英語で仕事をするとなると、まだ一足飛びに送り出せる状況にはありません。早く有能な人材を送り出し、よりダイナミックなカルチャーに触れて、グローバルに活躍してもらいたいと思っています。

古森スティッチのような成功ストーリーを、最初から構想できる人材を育成していくということですね。創造的な人々が海外で修行して、どのように変わっていくのか楽しみですね。

落合 まあ、言葉はなんとかなりますから。大事なのは、「まずやってみろ」だと思います。