C-Suite Talk Live第43回 ノードソン株式会社 代表取締役 副社長 内田勝さん | マーサージャパン

C-Suite Talk Live第43回 ノードソン株式会社 代表取締役 副社長 内田勝さん

ライブラリ / 「経営×人・組織」視点の対談 C-Suite Talk Live / 第43回(1/4)

第43回 ノードソン株式会社 代表取締役 副社長 内田勝さん
Calendar2011/10/13
C-Suite Talk Live 第43回 ~対談エッセンス~
  • 会社をさらなる顧客志向へと導く
  • コミュニケーションの基本は「聴く」こと
  • グローバル・コミュニティで活躍するには
  • 人材育成は経営者の重要ミッション
  • マネジメント職のドアは常に開かれているべき

会社をさらなる顧客志向へと導く

古森 こんにちは。お忙しいところ、今日はありがとうございます。この対談シリーズ、震災後しばらくアポイントをお願いするのを控えておりましたが、徐々に再開して行こうと考えております。震災後の再開第一号ということで、お話を伺うのを楽しみにしております。どうぞよろしくお願い致します。

内田 こちらこそ、どうぞよろしく。この対談は、古森さんのアイディアですか。

古森 そうです。マーサー ジャパンの社長になって5年ぐらいですが、実は就任当初からこうした情報発信的なことをやりたいと思っていたのです。ただ、当初は平日の睡眠が平均2時間くらいの日々が続きまして、すぐには始められなかったのです。2年前からようやくこのシリーズを始めることが出来ました。

内田 なるほど。マーサーさんのイメージは私から言うと、年金とか、人事関係のコンサルティングのサービスを提供する外資系の会社というイメージがあるので、こういった日本的なアプローチというのもまた面白い試みだと思いますね。ただ、私はちょっと異色の経歴かもしれませんので、参考になるお話ができるかどうか・・・。

古森 それぞれの話し手の個性や価値観が強いほうが、むしろ歓迎です。そもそもこの対談シリーズは万能解を模索するものではなくて、どこかに何か、読み手それぞれにヒントや示唆になるものがあれば良いという考え方なのです。ぜひ、ざっくばらんにお願い致します。

内田 なるほど、そういうことでしたら遠慮なく(笑)。

古森 まずは、昨年夏に代表取締役に就任されたわけですが、内田さんとして経営の軸をどのように考えておられるか、お聞かせ願えればと思います。

内田 そうですね・・・。これを見ていただけると、イメージがお分かりいただけるかもしれません。私が代表取締役になってから会社のブローシュアー(会社案内冊子)を全面的に改定しましてね。ちょうど今年の年初にこれに変わりました。

古森 ちょっと拝見します。ははぁ・・・。見やすいつくりになっていますね。それと、会社としてのメッセージがかなり明確に伝わってきますね。

内田 ありがとうございます。実は、私がこの会社に入ったときのブローシュアーは、企業全体の説明をする冊子であるにも関わらず、実際は商品説明パンフレットに近い内容だったのです。会社としてマーケットに対するメッセージが出せておらず、本来対象とすべき外部のステークホルダー、即ち、顧客、市場関係者、サプライヤー、採用対象者、それらの目線になっていなかったわけです。それで、ブローシュアーのつくりを根本的に変えて、「外から見る」目線を意識して全面改訂したのです。

古森 なるほど、目線を180度変えたということですね。

内田 以前は、我々の提供する商品が情報の真ん中に来ていたのです。そうではなくて、会社全体を語るブローシュアーですから、まず大きな括りでの我々の関わっている主なセグメントをちゃんと前面に出して「どのような産業分野でどのような役割を果たしている会社か」を分かりやすくしました。さらに、従業員がどういう気持ちで働いているかといったソフトな部分もきちんと出す形にしたのです。

古森 これまでの会社案内のつくりというのは、産業財の世界では伝統的なスタイルだったかもしれませんね。御社も日本ではかなり歴史の長い企業になっておられるので、外資であっても非常に日本的な面があるのかもしれませんね。

内田 その通りです。ノードソンは日本法人設立42年になりますので、外資系としてはかなり古くから日本で事業を行っている部類に入ると思います。まずは日本の会社になろうという志向性を持って歩んできましたし、その目線や姿勢は今でも正しいと思います。ただ、世の中に何かを伝えて行くという点では、色々と新たな工夫をすべき点もあります。

古森 会社としてのコミュニケーションのあり方を変える・・・。代表取締役に就任されて、まずはそこに力点を置かれたのですね。

コミュニケーションの基本は「聴く」こと

内田 私は、コミュニケーションがビジネスの最重要ファクターの一つだと思っています。個々人が日々仕事をしていく中で、コミュニケーションというものの意義やあり方をきちんと認識し、レベルアップを図っていくことがとても大事なのです。会社案内の全面改訂は、その象徴の一つにすぎません。

古森 同感です。

内田多くの場合、皆さん気持ちの中では、コミュニケーションは上手に取ろうとしているし、取れていると思われているのではないでしょうか。では、実際に相手がいる場面で本当の意味のコミュニケーションが出来ているかというと、そこはまだ改善の余地が大きいと感じるのです。

古森 特にどういった点に課題があると思いますか。

内田私はやはり、コミュニケーションの基本は「リスニング・スキル」だと思うのです。

古森 まず聴く・・・。「傾聴」ですね。

内田ええ、まず「聴く」ことからコミュニケーションは始まるのです。きちんと聴くということは、すなわち「相手を理解する力」ですね。相手を理解するには、相手の抱える文脈や問題点を深く理解しなければなりません。

古森 それは、サービス業では大前提ですし、まさにおっしゃるように、本来はあらゆる仕事の基本に位置する要素なのだと思います。

内田 表面的に「聞く」だけなら、多くの人がやっているわけです。ところが、「こういうことで困っている」という声にそのまま反応しても、価値が出ないということが往々にしてありますね。「聴いた」内容をもとにして、「本質的にはここが問題点ですね」「そのためには、こうすべきですね」ということまで言えたときに、はじめてお客様や仕事の相手に価値を感じて頂ける、そういうものです。

古森そこまで行くことが、内田さんのおっしゃる「聴く」ということの前提にあるのですね。コミュニケーションとは、相手を深く理解した上で成り立つべきものだと。

内田 そういうことです。そうしたレベルでのコミュニケーションがきちんと出来ていれば、仮に今ノードソンの製品をお使い頂けない場合でも、それ以降もノードソンは、お客様にとっての良き相談相手としてのパートナーとして認識していただけるのです。ですから、先ほどのブローシュアー改定の考え方もそうなのですが、当方がコミュニケーションする「相手側の立場」に思いが至ることが非常に重要なのです。語弊があるかもしれませんが、場面によっては「お客様以上にお客様を知る」ということが求められます。

古森最終的には、サービスであれ産業財であれ、提供する側の「人」と、提供を受ける側の「人」が関わりあって価値が出て行くものですからね。