C-Suite Talk Live第44回 G&S Global Advisors Inc. 橘・フクシマ・咲江さん

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第44回 G&S Global Advisors Inc. 橘・フクシマ・咲江さん
Calendar2011/10/25

グローバル人財は「外柔内剛」を目指そう

フクシマ その鍵は、私は「外柔内剛」(がいじゅうないごう)だと言っているんです。

古森 「外柔内剛」ですか。

フクシマ「外柔」というのは、世界、つまり多様性を増しつつある「外」と付き合う場面では、したたかに、柔軟に相手にあわせて対応するということです。

古森例えば、様々な国からの参加者がある会議の場面では、ちゃんと英語を話し、ジョークを言い、「あ・うん」ではなく明示的なコミュニケーションを心がける・・・とか?

フクシマ例えばそういうことです。要するに、「外」の世界では相手の常識にある程度あわせて、その常識の中で通じる振る舞いをしなさい、ということです。日本人は、本来こういうことは得意なはずですよ。相手をおもんばかる教育を受けていますから。

古森 なるほど。「内剛」というのは?

フクシマ「外」を相手にあわせるというのはあくまでも手段の話であって、個々人の「内面」にある個性や信念は、しっかり維持していくという意味です。

古森 なるほど、個人としての軸はコミュニケーションや振る舞い方のスタイルに関わらず、確固たるものを維持せよと。こちらは、結構チャレンジングでしょうね。「個」の作られ方自体が、例えば欧米や中国と日本とでは違っていて、基本的に日本の教育は強い「個」を持つなという方向です。それを、オトナになってから「個を持て」というわけですから・・・。

フクシマ私自身もずっと、コーン・フェリー本社の取締役などをやってきましたが、そういう会議の場面で決して西欧的にアグレッシブではないんですよ。そんな風にはなれない面もあるのです。欧米人はとってもにぎやかでしたが、その中で私が気をつけてきたことは、まずよく聞くことです。よく聞いて、でも最後に必ず手を挙げて、自分の意見をできるだけキチンと述べるようにしていました。議論を蒸し返すようなことであっても、やっぱり、私が思うことは言うようにしました。そうしたら、社外取締役やCEOも良く見ていて、よく聞いてくれるようになりました。私は声が小さいので、逆に静かになって、一生懸命聞こうとしてくれたり。自分の中にあるものを、しっかりと出していけばいいのだな・・・ということを、体験的に学びました。

古森 それが「剛」の部分ですね。決して、ゴツゴツと強いものを持てということではなくて、自身の知識、経験、考え方などが個性として内面にあって、それが環境に流されてぶれたりしないようにする。一方、伝え方や振舞い方というのは、環境によって柔軟に適応させていく。それが「外柔内剛」。

フクシマ そういうことです。それぞれの個性、例えば日本人、女性、過去の経験、信念という核になるものを守りつつ、相手の立場に立って理解しやすいように対応するということです。

古森 私自身、マーサーというグローバル企業で生きてきて、まさに「外柔内剛」が大事だなと思います。つまるところ、グローバル人財の育成というのは、「個」を持つ社員をいかに増やして行くかという課題に行き着くのかもしれませんね。本来それは、企業から言われて意識するものではなくて、個々人が気づいていくべきものですが。

そろそろお時間になりました。フクシマさん、今日はご経験を生かした奥深い話をたくさん聞かせて頂き、ありがとうございました。