C-Suite Talk Live第47回 株式会社富士通エフサス 代表取締役会長 広西 光一さん

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第47回 株式会社富士通エフサス 代表取締役会長 広西 光一さん
Calendar2012/02/01

持つべきものは敢闘精神~飛び込んで行こう

古森 そんな中で、今後「ヒト」の部分はどう変化していくべきでしょうか。

広西 まず、日本人が昔持っていた「敢闘精神」を再構築する必要があります。分かりやすく言いますと、「とにかく突っ込んでお客さんのところに飛び込んでいく」ということを、もう一回今日的環境の中でやらなければだめだと思います。

古森 今日的環境というのは、まさに先ほど出てきた業界の軸の変化と市場のグローバル化の両方を示唆したものですね。単に昔に戻るということではなく、現代のこの環境の中で「敢闘精神」を発揮せよと。

広西 そうです。「クラウド・コンピューティングが・・・」とか、「データーセンターを作って・・・」とか、「アウトソーシングビジネスをやりましょう」とか、そういうことは簡単に言えるのです。そうではなくて、本当にお客さんの懐に飛び込んで、お客さんの信頼を得てそれらの提供を行わない限り、もうこの時代のこの業界では、企業は成長できません。

古森 海外のお客さんの懐にも、そのようにして飛び込んでいくべしと・・・。

広西 飛び込んでいかなければ、ダメです。しかし、「海外に行きたくない」という人材も多いのが実情です。これは富士通というよりも日本全体の傾向かもしれませんが・・・。情けないな、と思いますね。今の日本は、全体的に内向きの傾向が強くなっています。その象徴はTPPですよ。困難はたくさんあっても、挑戦することに意義があるし、前に進む中で成長の機会を得ることが出来るはずです。明治維新だって、そうやって前に進んだのです。リスクはたくさんありますけど、このまま日本という国が静かに暮らしていけるなどありえないわけですから。挑戦する敢闘精神を持たないと。

古森 受身ではなく、前に出て行って勝負する姿勢が必要だということですね。

広西 グローバル化も同じです。本当に相手に密着できるまで、本当に彼の地に骨をうずめる覚悟で行く人間が真剣勝負をしないと、形だけ作っても上手くいきません。逆に、真面目に真剣に突っ込んでいけば、何が我々に足りなくて、何を要求されているのかが分かってきます。それをしっかり掴んでからでないと、付加価値のあるソリューションの提案なんて出来ないですよ。

古森「突っ込んでいく」ということは、仕事の相手であるお客さんに密着して理解する・・・ということから始まるのですね。それもその時だけではなく、しっかりと腰をすえて向き合うような姿勢で。

広西そう思っています。もちろん、営業活動の効率化や合理性の追求を無視すべしという意味ではありません。生産性を上げるべきところは上げていくべきです。ただ、そちらが主軸になってしまうと、生身のお客さんのことを考えなくなってしまいますね。常に仕事の原点に返って、自分でしっかりと考えて、自分でお客さんのところに突っ込んで行って、「本当に何がお困りですか」、「どういう事をしたいのですか」と聞いてから、きちんと提案していかないと。

古森お客さんの抱えている本質的な課題にゼロから向き合う勇気とか、そういう意味もありますかね。

広西 そうですね。言われたことをやるだけでは、とにかくダメダメです。私自身も、失敗したことがありましてね・・・。ある時、お客さんの言う通りにシステムを構築したのですが、稼働させてみたところ全然動かなかったということがありました。お客さんの話を伺ったときは、私も「素晴らしい」と思ったのです。しかし、外部者として客観的に、かつその企業の全体の組織能力などを考えたら、「おかしい」と気づくはずのものでした。お客さんが言葉にしておっしゃることが、そのまま真のニーズとは限りません。また、そのまま設計してもうまくいくとは限りません。

古森 そうしたお客さんの声に接したときに、「おかしい」と瞬時に気づいて反応できるかどうかが勝負ですね。そのためにはやはり、相当お客さんに密着して実情を理解していなければなりませんね。

広西 それを、今は日本だけではなくグローバルでやらねばならないということです。「グローバル化」というとこれまた言葉だけになりがちですが、本来意味されているのは、そういうことなのだと思います。