C-Suite Talk Live第49回 セントラル警備保障株式会社 代表取締役執行役員社長 白川 保友さん (3/4) | マーサージャパン

C-Suite Talk Live第49回 セントラル警備保障株式会社 代表取締役執行役員社長 白川 保友さん (3/4)

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第49回 セントラル警備保障株式会社 代表取締役執行役員社長 白川 保友さん
Calendar2012/02/27

奇をてらわずにシンプルにしつこく

古森 「入って良かったと思える」ようにしていくために、どのような取り組みをしておられますか。

白川そうですね、あまり凝ったことをしても効果がないと思いますし、潤沢な資金をつぎ込める状況でもありませんので、地道にいくつかのことを継続するようにしています。まず、管理職教育の中身を大きく変えたことが一番大きな変化でしょうか。

古森6年前に白川さんが着任されて、まずそこに着手されたということですか。

白川そうです。事業の性質を反映してやむをえない面もあったと思うのですが、当時の管理職教育というのは、上層部からの「訓示」が大半を占めていました。それはそれで意味があるのですが、どうしても受講者は受身の姿勢になりがちです。これだけ厳しい環境の中で、しかもリスクマネジメントとサービス業の両方をやるような高度な人材が要求されている中で、管理職層が受身ではいけないと思っています。

古森実際、どんな管理職教育のプログラムを導入されたのでしょうか。

白川私がお付き合いのあった社外のコンサルタントの先生にお願いして、新しいプログラムを作り上げました。やっていることは、非常にシンプルです。年に2回、一部を除くほとんどすべての管理職、200名強の方々を対象に合宿形式の研修を実施します。最初の1回は、課題設定です。参加者で議論して、「そもそも何をすべきか」について、空論ではなく現業の課題として抽出して頂きます。それに対するアクションプランも含めて、描きます。

古森そうした議論自体、以前の御社にはなかったことですね。

白川はい、最初は抵抗があったようですが、コンサルタントの先生の指導もあって、だんだん馴染んできました。そして、年の後半に2回目を実施するのですが、そこでは実際にどう取り組んだかについてのフォローアップをするようにしています。ここでも、コンサルタントの先生の厳しい指摘を頂きますので、ショックを受ける人もたくさんいます。それでも、これを繰り返していくうちに、年々社内の空気は良い方向に変わってきていると感じます。

古森ある時期に一過性のものとして受講するのではなく、原則として管理職の方々には毎年このサイクルがまわってくるのですね。

白川 そうです。毎年この取り組みの中で、主体性を持って考え、行動するという訓練を続けることになります。人間というのは、一度言ったくらいで変われるものではありません。同じ事を繰り返し、それも行動を伴う形で伝え続けていかなければ、変化は起きないのです。

古森 管理職層とおっしゃいましたが、他の社員の方々にはどのようなことを。

白川 このモデルを数年繰り返してノウハウも蓄積されてきましたので、現在では班長クラス、つまり現場の最小単位のリーダーですが、この階層にまで広げてきています。ただし、凝り過ぎると駄目ですので、ほどよく換骨奪胎した形で実施するようにしていますが。

古森 基本的なフローは、年の前半に取り組みテーマを議論して、後半にその取り組み状況をフォローするという形ですね。

白川 そうです。

古森このサイクルを続けていくと、いずれ御社のカルチャーの一部になっていくでしょうね。

白川 そうありたいと思います。それから、より広く社員全体への働きかけとしましては、毎月一回、その月の初日に私から朝礼でメッセージを出しています。メッセージの内容は編集せずにそのまま社内報にも掲載して、直接会うことの出来なかった方にも共有頂けるようにしています。

古森 そのまま、というのが良いですね。

白川 それから、役員クラスとは毎月一回の昼食会を設けていまして、様々な懸案事項を一緒に議論するようにしています。これも、方法論としては特に新規性がないかもしれませんが、続けていくことで徐々に議論が活性化しているように思います。以前の縦割りの組織運営の中では、課題に向き合って各役員が横串を通した議論をするという場面は少なかったわけです。変化は、徐々に起きています。

古森 現場で起きていることへの認知といいますか、現場の喜怒哀楽を汲み取るような活動も必要になりますね。そのあたりは、何か意識的にしておられますか。

白川これも凝ったことはやりませんが、クレームに接すればその課題解決の議論を行い、お褒めにあずかった社員がいれば表彰するなどしています。社内報での事例共有もしています。顧客接点の現場で起きていることに関しては、課題解決にせよ認知行為にせよ、タイミングが重要なのではないでしょうか。

古森おっしゃる通りだと思います。地味でシンプルで本質をおさえたことを、奇をてらわずに脈々と続けていくということですね。そうした取り組みを通じて、社員の方々の「入って良かったと思える会社」という感覚も、高まってきているのでしょうね。

白川 何事も一朝一夕にはいきませんが、社内の風通しは確実に良くなっていると思います。また、社員の平均在職年数も少しずつではありますが改善してきました。まあ、表立って「入って良かった」という声が聞こえてくる場合は、多分にお世辞だったりもしますので、私としては実態をよく見ておく必要があると思っています。