C-Suite Talk Live 第60回 クルーズ株式会社 取締役 対馬 慶祐さん | マーサージャパン

C-Suite Talk Live 第60回 クルーズ株式会社 取締役 対馬 慶祐さん

ライブラリ / 「経営×人・組織」視点の対談 C-Suite Talk Live / 第60回(3/4)

クルーズ株式会社 取締役 プライスレス/社長室/経営戦略 担当管掌役員 対馬 慶祐さん
Calendar2014/07/08

自社開発の人事基幹システム

西田 言うは易しですけれども、見極めるというのはなかなか難しいことですよね。どれぐらいの人数をどういう風に見ていらっしゃるのかということはありますよね。

対馬 ありますね。プライスレス本部(=人事部の名称)は12人ぐらいいて、適材適所適者(社)や、育成系をやっているスタッフは今5名ぐらいですかね。

西田 なるほど。では5名で500人を見ていると。

対馬 はい。当然現場の方にもメンターやトレーナーとして指導責任を負ってもらっています。

西田 そこからも情報を吸い上げてくる感じですか?

対馬 それもやっていますし、自社で独自開発した人事システム「ガリレオ」というツールに「あぶりだし項目」というのがあります。人が活躍した瞬間って、日々色々ありますよね。そこを抜けもれなく人事の方でキャッチしようというもので、例えば社員総会や職種別社内コンテストなどで賞をとった人もログとして残しますし、社員とご飯を食べている時に「あの人すごく活躍してるんですよ!」という話を聞いた時や、新卒の場合だと研修をやっている中で一歩二歩出てくる人がいるので、そこにフラグを立てたりします。

西田 色々項目があって、項目によってソートが出来るようなシステムがあるということですね。

対馬 そうですね。それを・・・ちょっとご覧になります?どうぞお隣に。 これがうちの社内システムです。全部自社で作っています。例えばこのガリレオというのが人事のシステムになっていて、社員検索でプロファイル表示を押すと、この人のタイプが出てきて、「マネジメント適正」とか「スペシャリスト適正」、「スキルレベル高」、といったフラグがあります。

西田 「おにぎり」ってなんですか?

対馬 これは、何かを本人と約束して握った時にこのフラグを立てています。本人から「実は僕こういうことしたいんですよね」という事をふとした瞬間に聞くことがあるんですよね。その場合、次の人事異動とか組織改編の時に、そこを考慮することを忘れないために「おにぎり」というフラグに印をつけておきます。「人は忘れる」ということが大前提ですね。

西田 これだと絶対に忘れませんね。

対馬 各個人のコンディションや各チームのコンディションもグラフとして見える化をしています。あとは、部署異動時に検索機能を活用したり、ヒアリングした異動希望を記録したり、語学レベルのフラグを立てたり・・・、とにかく必要最低限な情報を効率よく整理してあります。

西田 このシステムはどのレベルまでアクセス可能なのですか?

対馬 今は役員権限にしていますが、もうすぐディレクター権限にまで落とす予定です。

西田いわゆる大規模ERPシステムは機能のうち5%も使われていないと言われますが、御社のように本当に必要な部分だけカスタマイズして作るというのは、インターネットコンテンツを作っている企業ならではですね。

対馬基礎のプロトタイプ版は自社内でほぼ1~2週間で作りましたね。当然データベースの初期登録などの煩雑な作業はありましたが。

西田 さきほどビジョンの浸透が薄れてくるという話をしましたけれども、そういったところも含めて、社員数の急激な拡大をこういったツールを使ってきめ細かくケアすることでカバーしようということですね。

事業のスピードを加速させる

対馬多分一つじゃだめで、打ち手を色々やるということですね。当然これもツールの一つなので、これを作ればみんなハッピーになるかというと全然そういうことじゃなくて、僕らはこれを決断のための参考指標として活用しています。そうすることで、スピードが変わります。このスピードというのが凄く重要だと思っています。

西田 この前の決算説明会でも、社長はまだスピードが足りないということを言っていらっしゃいましたね。

対馬 例えば、何かゲームを1本開発する時に、当然業務の進め方を変えたりして開発期間の短縮を試みると思いますが、そのプロジェクトチームを組成するための人選に2週間とか1か月間かけていたらもったいない。こういうのを使いながら、的確に人材を把握してチームを組成することが本当に事業を加速させますよね。

西田 それが狙いですね。会社としては最終的には勝つことが求められます。特に御社は上場しているので、株主もいるし、結果を出さなければならない。とすると、プライスレス本部としては、適材適所適者の考えの下で、素早くきちんとした人を送り込むことで、ビジネスに貢献するということですね。

対馬 そこですねやっぱり。当社の人事は事業の成長を邪魔をするものを徹底的に排除する、というのがひとつのミッションになっているんです。人の配置の問題だとか、こういう人がいないかっていう時に、すぐに異動のプランが出せたり、そこで加速させられれば僕らのバリューが発揮できたことになります。

西田 なるほど。ただ、こういったツールを使いファクトを大切にしながらも、face to faceでのコミュニケーションは重視されているのですよね。

対馬 そこは非常に重要ですよね。人事っていうのは結局アナログですから。

西田 いかに自分のことを見てくれているかと思わせる、というのが凄く重要ですよね。

対馬 その通りだと思います。だから、異動の話をするときには必ず人事も同席するということになっているんですよ。

西田 究極的には、この人に聞けばどんな人の事でもわかるというようなChief Evaluation Officer的な人が必要ではないかと思っています。プライベートな話から、もちろんキャリアに関しても全部お見通しだよ、というぐらいになるというのが理想ですよね。

対馬 理想だと思いますね。

西田社員とのコミュニケーションという観点では、どんなふうにしていらっしゃいますか?

対馬 飲みながらのコミュニケーションって大切だと思うんですけど、どちらかというと日々の業務を通じてという方が大きいじゃないですか。酔っぱらって握手するよりも素面の状態で仕事の成果を通じて握り合う握手の方が、僕は固いと思っているんですね。だから、業務の中でそういう関係が築ける機会を作るように心がけています。部署をまたいだプロジェクトチームを作ってアサインできるような。

西田 いわゆるお酒の力を借りて高揚して握手するのではなく、素面で本当に納得し合って理解し合った方が絆が強いということですよね。それは僕もそう思いますね

対馬 そういうことです。まあ、酔っぱらって肩組むことも、時にはあるのですが(笑)

西田それにしてもゴルフ雑誌社から人事経験も無く入ってこられて、そういったことを社長と一つ一つ対話しながら創り上げていった。それこそ、人材開発プロセスを地で行っているような(笑)。

対馬 そうですね。ただ、本当はそれこそ京セラの稲盛さんや、人事でいうとLIXILの八木さんなど、一つの会社ですごく活躍されていて、他の会社へ行っても大活躍される人は本物だと思いますよね。自分はそれは出来ないなと思っていて。

西田 ご謙遜でしょう。