C-Suite Talk Live 第62回株式会社アバント 代表取締役社長 森川 徹治さん

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第62回 株式会社アバント 代表取締役社長 森川 徹治さん
Calendar2015/01/27

次なる挑戦はグローバル市場での成長

森川まさしく今、次の3回目の脱皮の機会に直面していまして、お客様から求められているニーズがグローバル化です。大手のお客様を中心にやってきたので、制度連結はできたと。ただグローバル対応を本当にアバントはやる気があるのかと言われる機会が本当に増えてきたのです。実際我々はずっとドメスティックなビジネスばかりやってきているので、言葉ではグローバル化と言っているのですけれども、現実問題これは非常に難しい。そこを本当にやるのかというのが問われているのが今です。

鴨居 具体的にはどう展開されようとお考えですか?

森川今すごく試行錯誤をして次の成長に向けた混沌の中にいるのが今の実態です。自分自身が経営者として、グローバルに通用するかどうかを問われていると痛感しています。ですので、グローバル市場での成長というアジェンダについては、去年の10月から2年間の時期を区切って、2年の間に目途が立てばまだまだチャレンジしていこうという線引きをして進めているところです。
もうすでに、その1年間が終わってしまったところなのですけれども、この間に日本からでは絶対に見えなかったAvantにとってのグローバル化の本質ということが、自分なりには理解が進んできています。それは、スケーラビリティをどう作っていくのかという仕組み構築という視点です。
金融の世界における証券化に関してもそうですし、システム開発におけるアジャイル開発とかもそうですし。その全てが個人の限界を超えてどうやってスケーラビリティをぐっと持ち上げて行くか。環境変化の速度が少人数で構成できる成長速度を明らかに超えていて、むしろ人間に依拠しない仕組み作りというのがどんどん進んでいっているなぁと感じています。

鴨居 具体的にはどんな方向性を考えていらっしゃいますか。

森川 たとえば、様々な専門化が進み、それがコンポーネントとして組み合わせられて、一つの事業を起こしていく必要な専門サービスや人材をデマンドに応じて、上手く活用していく仕組みをどう作っていくか、ということが必要になっている気がしています。ビジネスの作り方についても、単純に今までみたいにプロダクトを作って提供するということではなくて、お客様自身のニーズに応じた選択可能なコンポーネント化されたパーツをたくさん用意して、それをプロダクトだけではなくてサービスも併せて提供していくようなモデル作りができないか、と考えています。

鴨居 第3の脱皮であるグローバル化ということが、アバントさん自身、あるいは森川さん自身の思考に大きく革命的な変化をもたらしているという感じですね。スケーラビリティは私もすごく面白い捉え方だなと思います。色々なコンポーネントを持っている事、かつそれをどう集合体として提供出来ていくのかという点では、人材に求められるスペックも多様化してきますよね。
コンポーネントを作れる能力をもつ人達と、それをインテグレートして価値を作り出す能力を持つ人達と、それを業務知識も持った上で、お客様に分かりやすく伝えられる能力を持つ人たちが集まり、提供のプロセスが機能別の層になって統合的な価値を最終的にお客様にお届けしていくという仕組みになっているということですね。

森川 ええ。グローバル化を考え、本当の意味での資本投資をどうやっていくかと考えていくと、最後は人材がクローズアップされてきます。この事業に投資をするかという前に、誰に投資するのと。経験機会の提供、そこを通してその人の成長に繋がるということもあります。今まではこの業務が分かっているから彼に任せておけば良いと、それだけの事だったのですけど、ちょっと待てと。組織図を見て、ここに所属しているこれだけの人達をこの人に預けて良いのかと。この見方をするようになって、今まで自分がやってきたことというのが本当は人材に対する投資になっていなかったと。
ホールディング化して、グローバルという文脈で色々学んで経験をしていくと、一番欠けていた発想というのが明らかに人材を含めた資本投資の発想で、「人」というところを基軸にしながら、どこにどれだけ預けていくのかということをちゃんと見ていくということを、自分で改めて昇華しようとしているところですね。

鴨居 グローバルというもう一つの成長の軸が出てきたことによって、一層、人に投資をしていく意識が高くなったということですね。でも、人に任せて投資をしていく中で完全には正解はないのだろうと思いますね。敢えて言えば、失敗を許す経営というんですかね。人は失敗するものである、と共に人は成長するものであると考えながら、そこに人に対して成長機会としての投資をしていく、というところの舵取りの難しさが出ているのでしょうね。

森川 私自身の弱点は何だ、ということで、外国人からフィードバックをもらう機会があったのですが、結構人を見る目がない、と。私自身がプロジェクトマネージャーとか、自分が会社を創っているという観点では、そこは自分ではそんなに見る目無いことないよ、と思っていたのですが、自分が何かやりたいと思う時の人を見る目は大分違うらしく、かなり力量が不足していると。もう一つは、自分で事業を作って来たので結構リスクは取ってきたつもりでいたのですけれど、お前の事業のやり方は実はリスクを取れていないということは認識しなさいと言われて、結構衝撃だったんですよ。両方得意だったと思っていたところが全然駄目だったというところで。でも、その本質を理解した時には本当にその通りだなと思いました。失敗を許容するということは結局リスクを取るということなのですけど、ある意味失敗を許容しない、自分が関わってきたプロジェクトは全部失敗させなかった、というぐらいの自負があるので。その範囲の中でやってきているという実態はあって、今まさにどうやってリスクを取っていくか、どうやって人を見る目を創り上げるのかというのが自分自身のテーマになっています。

鴨居 森川さんご自身がコンサルタントでもあり、「DIVA」という非常に素晴らしいところに着眼されて会社を作られ、そういう経験の中で色々な投資もされてきたことでしょうし、その中で任せる人を見てきたのだと思います。私が今のお話を聞いて、もしかするとこういうことがご成功の秘訣ではないかと感じることがあります。それは、今までの任せ方とか今までの投資の仕方は、もうほぼその結果としての成果物やアウトプットが森川さんの中でイメージがあったのではないかということです。つまり、「こういうものを作ってくれるのであれば、この人だろうな」とか、「こういうものを作るのであればこれだけ金がかかるだろうな」とか、あるいは「俺がやるんだったらこれだけのことをやって、こういうアウトプットが出るだろうな」というように、経験的直観が頭に浮かび、それがある意味、プロジェクトのリスクヘッジにもなっていたのではないかということです。

森川 そうかもしれませんね。

鴨居 私もコンサルタントでPMをやっていた頃、ある程度答えは8割ぐらい分かった上で提案書を書けと言われたようなこともあるのですが、これからの人材への機会投資は、多様化している且つグローバル化ということで、アウトプットが明確に分かっていないんだけどこの人の能力と発想力に賭けてみようと、そこにはもちろん不安もあるし、失敗もあるかもしれない。そうすると人を見る目というのが、自分の類似系ではなくて、自分の持っていないものを持っている人に、まだ明確に分かってはいないけど、この人の言っている事を信じてここにお金を付けてみようという、ある部分ベンチャーキャピタリストがテクノロジーでもなくアイデアでもなく、その人を見て投資をするというようなモデルへの転換なのかなと思って、今聞いていたんですけどね。