C-Suite Talk Live 第65回 株式会社堀場製作所 理事 野崎 治子さん 松尾 孝治さん | マーサージャパン

C-Suite Talk Live 第65 株式会社堀場製作所 理事 野崎 治子さん 松尾 孝治さん

ライブラリ / 「経営×人・組織」視点の対談 C-Suite Talk Live / 第65回(3/4)

第65回 株式会社堀場製作所 理事 野崎 治子さん グローバル人事部長 松尾 孝治さん
Calendar2015/09/08

HORIBA流ダイバーシティとリーダー育成

鴨居 もっと規模がずっと小さく、そこに強烈な創業者の方がいらっしゃる会社だとすれば『おもしろおかしく』、また一人一人をリスペクトというところも実現しやすいと思うのですが、グループ従業員の方が6,000人いらして半分以上が海外の従業員で、しかも業績は確実に成長されていらっしゃいますよね。その中でこのような精神を貫いているというのはどうやって継承していらっしゃるのか不思議に思います。

松尾そこはDNAというか、一人ひとりが受け継いでいって影響を相互に与えあっているというところでしか言い表せない部分ではあります。何かテクニックがあるとかスキームや仕組みでやればいいですよというよりも、各人がそのようなことを感じて部下や同僚に対してアプローチをしていくことの広がりによって、この結びつきが維持されているのではないかと思います。

野崎 6,000人の会社も100に分ければ60人ですから。

鴨居 ははは(笑)。そうですね。

野崎 大きな組織でも、その中に色々なセルがあるわけで。それぞれがイキイキすればその方が大事なんじゃないかと思いますね。『ステンドグラスプロジェクト』という名前でダイバーシティの啓蒙推進活動をスタートさせたんですけれども、社長が外部の方から「HORIBAの強みはなんや」と聞かれたときに「それは変なやつが集まっていることです」と(笑)。

鴨居 まさしく多様性ということになりますね。

野崎 はい。ステンドグラスのように色とりどりのピースが集まって一つの絵になって美しく輝いていることがHORIBAの強みであると。だから画一的になってくれるなと。その中にはグローバルもあれば、セグメントもあれば、性別もあれば、世代の差もあり、様々な人が集まっているから強いんだということを宣言しております。

松尾 そうした個性を大事にすることに関連して言えば、先ほどもご紹介しましたがブラックジャックプロジェクトと呼ばれる仕組みも持っています。一般の社員がリーダーになって「このテーマで私やりたい」と手を挙げ、役員に対して改善プログラムを提案する仕組みです。

野崎 1997年から20年近く続けていて、経営陣に活動テーマについてプレゼンテーションをする場で、毎回4、5組が発表します。年間で5、60人が参加しますので、のべ1,000名以上が発表していることになります。

鴨居 その提案が自分ごとになってきているということでしょうね。

野崎 主役になるわけですね。役員に話を聞いてもらうというだけでも、距離が近くなりますし。さらにそれが、良い提案であればGOが出ますので仕事がすごくやりやすくなります。ショートカットキーを持つようなものです(笑)。

鴨居 自分の提案ですので、結果を出していくということも当然求められるわけで。自分ごとであるがゆえに真剣勝負でもありますね。

野崎 そうですね。提案には、どんな内容にも役員が「頑張ってくれてありがとう」と伝えます。海外への研修生の公募でも希望者の半分くらい選考から漏れるわけですけれど、それでも「チャレンジしてくれてありがとう」というメッセージを出します。「あなたのことを見ていますよ」というメッセージを出し続けていることが、結果としてDNAになっていくように思います。

鴨居 そうですよね。それを繰り返しているということが強みなんでしょうね。しかも、ブラックジャックプロジェクトではワールドカップという形で全世界から代表を集めて、毎年審査をして表彰をしていらっしゃるんですよね。

野崎地区予選もあります。アジア地区ですと韓国とシンガポールの代表が中国に集まって三カ国で競う。そこから勝ったチームが日本に来るという形でやっております。もちろんヨーロッパはヨーロッパの中で勝負があるということです。日本でも、慣れない英語で一生懸命やっております。「質問はしてくれるな」と言いながら(笑)。

鴨居 海外への派遣も積極的に進めていらっしゃいますが、海外赴任でも「新しいことにチャレンジしてみなさい」「加点主義だから失敗を恐れなくてもいい。三振してもいいから空振りの三振をしてこい」というようなことも管理職の方たちが皆さん徹底してやられているんでしょうか。

松尾 比較的若い社員にも一人でプロジェクトを任せたり、海外出張もかなり早い段階から行かせます。テレビ会議ですとかそういうシステムも当然活用はしているのですが、直に会ってしゃべるのが重要であるからむしろ行ってこいと。また、複数で行くよりも一人で行ってきなさいと。

野崎 そうした経験を積みながら、将来は現地をオペレーションできる経営者になってほしいというのが一番の願いです。時間はかかるかもしれませんが、母集団を作って段々その中で成果を出して、タフに頑張って業績の矢面に立てるような人をどれだけ生み出していけるか、またそれをいかにスピードをあげて数を出していけるかが、グローバル人財のパイプラインづくりにおいて大事になってきています。

鴨居 日本企業にとってのグローバル人財の育成というのは、日本人を今のような形でグローバル人財にしていくことでもありますし、それから御社の場合は特に、海外の人達の中からもグローバルに活躍できる人を本社に連れてくる、あるいは別の国で活躍する場を作ることも広がっていきますよね。先ほどのステンドグラスの例 のように。