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企業年金の株式運用のグローバル化にどう対処していくか

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企業年金の株式運用のグローバル化にどう 対処していくか
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Calendar2017/06/14

日本の確定給付企業年金(以下、「企業年金」)の日本株離れが進んでいる。あたかも日本企業のグローバル化の進展と軌を一にするかのようだ。本稿では、その背景を考察するとともに、企業側はそれにどう対処していくべきか、資産運用コンサルタントの視点で論じてみたい。

企業年金の世界では昨今、運用のグローバル化が進展している。この動きは株式運用で特に顕著だ。多くの企業年金は日本株式への依存を減らし、海外株式や日本を含むグローバル株式への配分を増やしている。企業年金連合会の統計に依ると、2001年当時、日本株は株式部分の約 2/3を占めていたが2014年には株式部分の1/2以下に転じており(図1)、これは今なお進行中である。こうした変化は日本企業のグローバル化と通じるものがあるが背景はもっと単純だ。企業のグローバル化は、経済成長の鈍化が見込まれる日本経済への依存を減らし、海外の成長を取り込むためのものである。一方、企業年金運用のグローバル化は日本株に投資してもリターンが上がらない時期が長く続いた、ということに尽きる。計測期間にも依るが2001年10月(年金運用のグローバル化が始まった時期と考えて差し支えない)から2016年9月末までのデータを基に、日本株指数の東証株価一部指数(TOPIX)を外国株指数(MSCI(KOKUSAI))と比べてみると、前者は年率で3%半ばのリターンしか計上していないのに対し後者は6%と大差がついている。

企業年金の運用担当者には、与えられた状況でリターンを最大化することが求められている(受託者責任)。現在/将来の年金受給者の給付原資となる資産を蓄積する(Wealth Accumulation)ためだ。勢い長期に亘ってリターンが低迷するような資産への投資には二の足を踏まざるを得ない。 残念なことに日本株がこれに該当したということである。こうした企業年金側の動きを後押しするかのように、運用会社からも様々な海外株式運用戦略が提供されるようになってきており、これも企業年金の日本株離れを加速している。


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