成功する人材の育成を効率よく行う上でピープルアナリティクス(行動分析に基づいたデータ解析)が極めて重要である4つの理由

成功する人材の育成を効率よく行う上でピープルアナリティクス(行動分析に基づいたデータ解析)が極めて重要である4つの理由

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成功する人材の育成を効率よく行う上でピープルアナリティクス(行動分析に基づいたデータ解析)が極めて重要である4つの理由
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Calendar2018/07/10

いかなる場合でも現状に不満を抱くことが、人間に本来備わっている魅力的とも言える側面の一つです。仕事に関して言えば、従業員が頻繁に口にする不平不満の対象となるのが給与や福利厚生です。

将来の働き方について、従業員は、自身のキャリアを自分自身でコントロールしたい、相応の報酬を受けたい、大事なことをしていると認識したいと思っています。成功する人材を育成するために、人事部およびリーダーは、組織全体にわたって、ピープルアナリティクス(行動分析に基づいたデータ解析)を用いて、成功できる職場環境を作るのに何が必要かを見極める必要があります。ここでいう成功できる職場環境とは、従業員が能力開発について権限を与えられていると感じる、仕事にやりがいを感じる、中核となるニーズが満たされていると確信できる職場環境です。

今日のようなデジタル時代において、エンゲージメントの高い成功する人材を育成することは、終着点ではなく旅のようなものです。会社が前向きな変化を経営の優先課題に位置づけると、単に仕事に打ち込むだけではなく任務に献身する従業員が、会社の計画や目標を完遂してくれます。会社は、ピープルアナリティクスを通じて、従業員がキャリアパスについて感じていることを理解したり仕事へのやりがいを見極めたりするために従業員フィードバックプログラムを使用できます。

理由その1:ピープルアナリティクスは、従業員のエンパワーメントの向上につながる要因を特定する

新しい技術を利用してマネージャーが、膨大な量の情報および従業員への要求を迅速かつ簡単に選別できるようになるにつれて、従業員からの期待も同じように高まっています。現代社会で働く従業員は、自身の仕事をコントロールしたい、少なくとも勤務形態、勤務場所、勤務時間について発言権を持ちたいと思っています。往々にして、こうした意思決定プロセスに関与していないと感じた従業員は失望感を抱くことになります。結果として、職場における柔軟性は、今日の市場において最優先事項となっています。このことは、世界経済フォーラムにおいて提示されたThe Future of Jobs(仕事の未来)というレポート1での回答者の44%、および、マーサーのTalent Trends 2018(人材動向調査2018年)というレポート2での回答者の51%が、職場における柔軟性は最も注視すべき動向である、または必要不可欠であると述べていることからも明らかです。

さらに、従業員と会社の双方が、希望する未来像がどのようなものか、「成功している」キャリアまたはビジネスが何を意味するかについて再確認しています。成功を収めている会社には、各自の能力を継続して開発する、習得する、拡大する人材がいるという認識が高まりつつあります。

本題からは外れますが、従業員は将来のビジネスニーズに対応できるスキルを習得することがいかに重要であるかについて理解し始めています。なぜでしょうか?それは、2020年までに、仕事の36%は複雑な問題解決能力を必要とし、19%は感情知能、交渉力、他者との協調性といった社会スキルが求められるようになるとされているからです1。当然のことながら、世界経済フォーラムでは、2020年までに「ほとんどの職業に求められるコアスキルセットの3分の1以上は、今日の仕事においては重要でないとみなされているものになる」と予測しています。 多くの従業員が学ぶ必要があることと、学ぶ必要がないことを見極める方法を習得することにより焦点を当てる必要がある、そのために多くの会社が従業員のエンパワメントを高める必要がある、とされるのは、こうした背景があるからです。

理由その2:ピープルアナリティクスは、従業員の仕事と目的意識を結び付ける

Talent Trends 2018(人材動向調査2018年)レポートでは、成功する従業員の75%は目的意識の強い会社で働いていることも判明しました。事実、従業員の期待が変化するにつれて、多くの従業員は、職場においてより意義のある、柔軟で、豊かな経験を求めるようになっています。その傾向が強いのは、従業員が将来の雇用について強い不安を感じるほどに技術革新による自動化が進んでいる職場です。アナリティクスを利用する会社は、従業員に意義や目的を与えて、従業員が変動の激しい不確かな職場環境において確固たる指針を見つけられるよう手助けします。マーサー ‐ シロタが実施した調査のデータによると、3人に1人の従業員が仕事におけるエンゲージメントに関する質問に強く同意している一方で、会社が外部のビジネス環境の変化に対して効果的に対応していることに強く同意している従業員は6人に1人に留まっています3。後者の結果は、ほどんどの従業員が各自の目的意識が会社のそれと整合していないと感じていることを反映していると言えるかもしれません。

この問題に対処するための取組みとして、一部の会社は、従業員が会社の目的とのつながりをより強く感じられるように仕事をカスタマイズするためにアナリティクスを使用し始めています。従業員が以下のような意見を持てるような職場を設計するという意図があります:

  1. 自信がある。 仕事をするのに必要なものが揃っていて、行動を取るための人材や情報を入手できる先を知っている。
  2. 理解している 仕事の手順は単純である。この作業体験は、自分がすでに使用している消費者向けのツールやサイトと同じように慣れ親しんでいるものである。
  3. 評価されていると感じる 貢献する方法を知っていて、現在と将来、この会社で働くことに対して価値を見出すことができる。

理由その3:ピープルアナリティクスは、社内ユーザーと社外ユーザーの体験を向上させる

当然ながら、会社は従業員についての洞察を継続的に得られる方法を探っています。実際、46%の会社は今後1年以内に継続的にフィードバックを取得するツールの導入を検討していて、多くの会社は重要なプロジェクトに関してリアルタイムのフィードバックを入手するツールを探求しています。会社が人材プラットフォームやスキルに基づく雇用に向かうにつれて、その多くは、継続的なフィードバックを提供して、より高いアジリティを推進する調査や他の手法を組み合わせたものとなる、よりスマートな従業員フィードバックアナリティクスを活用する必要があります。従業員の健康維持、資産形成、キャリア開発を支援するのに役立つ人材エコシステムと連動したデジタルソリューションは、将来の働き方を考える上で不可欠になります2

こうした変革によって、多くの人事部リーダーは従業員のことをお客様のように考え始めました。マーケティング部がお客様について知るためにデータ駆動型アプローチを使用するように、人事部も従業員に対して同様のアプローチを使用し始めています。たとえば、従業員のフィードバックや行動に関するデータは、オンボーディング(入社)からオフボーディング(退職・離職)までの従業員ライフサイクルを向上させる方法を学ぶのに使用することができます。成功している会社は、変革や改善を実施するために、従業員調査の結果を従業員ライフサイクル全体にわたって取り入れることを年1回ではなく頻繁に行います。

このことは魅力的に聞こえますが、人事部がよく苦労するのは、ユーザーエンゲージメントを後押しするような、従業員と管理者にとって説得力のあるユーザー体験を設計することです。フィードバックプロセスの向上、ワークフローの簡素化、従業員の体験の特化を行うために技術を利用する責任は人事部にあると私は思います。最も効果的な従業員意識調査では、リーダーや人事部が会社の状況を把握するのに役立つ従業員の意見を収集する手順が簡略化されています。適切な方法で実施された従業員意識調査は、戦略の設定や修正に使用できる情報や洞察の宝庫です。

最後に、そして恐らく最も重要なことを覚えておいてください。組織の変更や改善を推進するのに役立つものでなければ、ピープルアナリティクスや従業員フィードバックプログラムを利用する意味はありません。

たとえば、Googleのアイルランド支社では、「Dublin Goes Dark」というプログラムを実施して、ワークライフバランスについての従業員のフィードバックに対応しました。このプログラムでは、社員は退社時に端末をオフィスに置いて、完全に仕事から離れる生活を推奨しました4。これは、自分たちの意見が尊重されていて、権限が与えられていると従業員が感じられる成功している会社になるためにGoogleが従業員のフィードバック(またはピープルアナリティクス)を利用している一例です。

理由その4:ピープルアナリティクスは、人材の潜在能力を最大限に引き出す

成功する組織を効率よく作るには、ピープルアナリティクスを使用して従業員について知らないことを特定する必要があります。従業員エンゲージメント調査は、リーダーや人事部が会社の状況を把握するためのより簡略化されたプロセスを導き出してくれます。定期的なフィードバックを求めることは、会社が中核となる従業員のニーズおよびエンゲージメントを把握するのに役立ちます。また、どのようなギャップを埋める必要があるか、どのような問題が発生する可能性があるかについても明らかにしてくれます。さらに、フィードバックは、新たなニーズが生じた時点で軌道修正する機会を会社に提供します。定期的にフィードバックを確認して対応策を実施することで、会社は人材の潜在能力を最大限に引き出す環境を作ることができます。

1The Future of Jobs:Employment, Skills and Workforce Strategy for the Fourth Industrial Revolution | World Economic Forum (未来の仕事:第4次産業革命の雇用・技能・人材戦略 | 世界経済フォーラム): http://www3.weforum.org/docs/WEF_Future_of_Jobs.pdf
2Global Talent Trends Study 2018 (グローバル人材動向調査2018年): https://www.mercer.com/our-thinking/career/global-talent-hr-trends.html
3Sirota's Normative Database (シロタ社のノーマティブデータベース): https://www.sirota.com/improve-your-performance/action-practices-and-tools/best-practices-database/sirotas-normative-database/
4Google's Scientific Approach To Work-life Balance (and Much More) (Googleのワークライフバランスへの科学的アプローチ) (およびその他), Laszlo Bock - https://hbr.org/2014/03/googles-scientific-approach-to-work-life-balance-and-much-more
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